恐怖の心霊実験! 縁起悪いことを全部やってみた命知らずの男に訪れた不幸な結末…
公開日:2018/8/31
心霊現象を信じるか? …申し訳ないが筆者は、オカルトものは好きだがそこまで本気で信じてはいない。それならば、深夜の心霊スポットなんかも平気なのかと問われると、それはまた別の話で、めちゃくちゃ怖い。
『どんな不幸が訪れるのか? 恐怖の心霊実験』(「裏モノJAPAN」編集部/鉄人社)は、筆者とは違って心臓に毛が生えまくったツワモノたちの大胆な心霊実験をまとめた1冊だ。
「裏モノJAPAN」編集部は、霊の存在を全否定する。(中略)しかし恐怖を喚起させる現象は実在する。本書における実験とは霊の確認作業などでは決してなく、ひとびとが心霊と呼びたがる有形無形の現象を起こしてみようというものである。
本書で行われる実験は、「わら人形で元カレを呪ってみる」「反時計回りに歩いてはいけない島を反時計回りに歩いてみる」「噂の幽霊ホテルを泊まり歩く」「舞うと殺される秘曲『採桑老』を踊る」「自称霊能者に嘘の相談をして言い訳をチェック」などなど、筆者としてはその愉快さに笑ってしまうが、霊感のある人から見れば卒倒必至の内容だろう。早速、本書に収録されている心霊実験を2点ご紹介したい。
■縁起の悪いことをひたすら全部やってみる!
縁起が悪いから、バチが当たるから、やめなさい。そうやってお母さんにしつけられてきた人は多いだろう。我々の生きる日本には、そうした些細な禁忌事項がたくさん存在する。
だが、本書のリポーターは、ごはんに箸をブスッと立て、箸と箸でおかずを掴み渡し、夜に口笛を吹き、4(死)や9(苦)のつくロッカーを積極的に使い、墓場で転び、鏡を割り、北枕で寝て、黒猫を横切らせ…など、思いつく限りの「縁起の悪いこと」を短期間に詰め込んで実践する。
さて、その後実際に彼の身に何が起きたのか…。
自宅の便所に籠もり大便をひねり出した途端、肛門に鈍痛が走った。(中略)持病のイボ痔が悪化したようだ。私の場合、かつては治り、治ってはかかりの慢性イボ痔なのだが、イボが現れる周期は半年に一度。なぜこのタイミングで現れる
…魔物やあの世の話はどうなったのか。オチの脱力感に笑ってしまった。
■自称霊能者の真偽を、体を張ってチェック!
これぞ「裏モノJAPAN」といった行き過ぎたいたずら企画。自称霊能者のもとを訪れ、ウソの悩みや過去話をでっちあげて相談する。霊能者たちがそれに乗っかり、もっともらしいふりをしたら、最後に「全部ウソでした」とばらすというわけだ。ちょっと過激な実験だが、うーん、確かにその結果や霊能者たちの真偽は気になる。
編集部員は、「体調が悪く、何もうまくいかないんです…」と事前に悩みを告げ、霊能者に相談予約。
でっちあげの設定で、「そういえば心当たりとしては、中学生の頃に野良猫を殺していた」「子どもを堕ろさせたことがある」など語っていくと、霊媒師は「言ってなかったけど、実は最初から見えていましたよ。猫と子どもの霊が」と自信満々に除霊を勧めてくるではないか。
最後に「全部ウソでした!」とネタばらしをした後の霊媒師たちの慌てぶり、またその言い訳はどれも見物なので、ぜひ本書を手に取って確認してもらいたい。
「裏モノJAPAN」編集部とだけあって、企画の全てにアンダーグラウンドな雰囲気が漂っていておもしろい。そしてこの編集部員たち、みんな命知らずというか、とにかく度胸が凄いのだ。
だが、心霊実験の中には、霊を否定するつもりで実践しながらも、説明のつかない結果となったものも何点か収録されており、却って恐怖感を煽られる。安易に真似することは決して勧めないが、もしあなたに度胸さえあれば、心霊実験の手引きとしても使えるかもしれない…。
文=K(稲)