「平成の怪物」俳優! 安田顕さん表紙&特集!『ダ・ヴィンチ』2018年10月号(特集番外編)

特集番外編2

更新日:2018/9/7

「平成の怪物」俳優! 安田顕さん表紙&特集!『ダ・ヴィンチ』2018年10月号(特集番外編)

もともと以下の「特集番外編2」の記事は発売日に配信されるため、事前に原稿を配信担当に渡しておりました。
発売日のその朝、北海道の震災のニュースを知り、「一旦取り下げたい」と伝え、今に至ります。
すみません、個人的な想いで恐縮でございます。

まだ幼い頃でしたが、私は阪神淡路大震災の日、被災地にいました。
街のあちらこちらが倒壊し、火災の煙は一向に消えず、
SNSも普及していないあの頃、予想だにしなかった死というものに初めて直面し、情報も掴めず混乱し、
不安で怯え、それでも周囲の大人たちは励まし合い、助け合っていて、
そんな中でようやく見られたテレビがありました。

画面越しの遠く離れた安全な場所にいる、向こう側の人たちの言葉に、私は段々に怒りが湧いていました。
「分かってないくせに」と、大変に稚拙ながら思っていました。
毛布に身を包み、家族を失い呆然としながら地面に座り込む年配の女性を、フラッシュをたきながら撮影する人たちを見て、私は号泣しました。
今ならば、理解もできます。言葉の有り難さも分かります。
当時はとても子供だった。
ただ、あの光景を、ずっと覚えています。

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今年もたまたま帰省していた大阪で、震災に遭いました。余震が続き、恐くて寝られない中でも、家族やご近所様の有り難みを改めて、思い知りました。
東京にいる現在も、未だに小さな地震にすら、そしてニュースを見ても手が震えてしまいます。

特集番外編の記事を配信すべきか、悩んでいました。
これは誰かにとって私があの時感じたような「向こう側」の記事になるかもしれない、と考えたからです。
ただ、今回特集を企画し制作していた最中に思っていたことに、
この表紙号を発表することはきっとファンの皆様と、そして安田さんという俳優をずっと見守ってこられたであろう、
北海道の読者様に喜んでいただけるのでは、という勝手ながらの願いが、ありました。

たくさんの方に俳優・安田顕さんの魅力が伝わってほしい、と心を込めて担当スタッフ一同、紙面制作させて頂いておりました。
配信に至るまでのこうした経緯、そして配信が遅れましたこと、何卒お許しいただけると幸いです。

このたびの北海道での震災において被災された皆様に、お見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復旧を、心より祈っています。


「平成の怪物」俳優! 安田顕さん表紙&特集!

編集M

今月号『ダ・ヴィンチ』では俳優・安田顕さんの表紙&20ページを超える特集を組ませていただきました。
これまでTEAM NACSさんには弊誌の表紙を幾度と飾っていただきましたが、今号では安田さんの「単独」表紙&特集です。感無量です。

さて、
企画会議で「安田さんで表紙と特集を!『愛しのアイリーン』タイミングで(やります)!」と宣言し、
安田さんと言えば「平成の怪物」というパワーワードでしょう、とばかりに〝怪物俳優〟安田顕、徹底解剖!と題して企画を組み、
本当に温かい、たくさんの関係者・共演者様、そしてファンの皆様にご協力いただきながら無事、記事を作ることができました。
(※アンケート、あれほどに細かい項目にも関わらず2500通を超えました。皆様ありがとうございました!)

NACSさんとお仕事させていただき、早10年(そして奇しくもこの特集号発売日が誕生日でして、また歳を重ね11年に……早すぎる……)。

俳優人生の軌跡をたどるロングインタビューではみっちり3時間、絶え間なくお話いただきまして――。10年のなかでも初めてお伺いすることが大変多かったように感じています。
包み隠さず、でも丁寧にひとつひとつ、感謝の言葉を重ねながらお話してくださった安田さん。心からうれしかった、そんな取材になりました。
また、それがきちんと紙面記事にも反映できたように感じています。
一方で、福田監督との対談取材は時間を押しまくりな2時間にも及び、
〝相思相愛〟感、半端ない対談記事となりました。

実は今号の特集以降、3号連続で特集担当をするので、次号の特集取材も並行で行っていたのです……が、
幾度と背中がぞっとする瞬間(もちろん良い意味で)がありまして。
「俳優さんって凄まじい……」と今更ながら、しびれまくっておりまして……。

〝怪物俳優〟と唄ってしまうくらい、強いインパクトを残す。
安田さんの出演されている作品にはそういう瞬間があります。
彼の演者としての表現のその「凄み」や「想い」が、たくさんの方に伝われば、と願っています。
そして特集記事を読んでいただければわかるのですが「どれだけ安田さん、愛され俳優なの!」という、言葉ばかりが並んでおりまして。
繊細で、謙虚で、丁寧で(ちょっと変態性もあり)。
愛され俳優でもあり、怪物俳優でもある。
そんな安田顕さん自身の魅力も、紙面から少しでも伝われば、幸いです。

思い返せば、私もNACSさんに出会ったころは20代でして、「恥ずかしい……というか稚拙すぎる!!」と怒りたくなるような仕事もしてきておりました。
未だにたまに繰り返しては反省していますが、
ただ、ところどころで素晴らしい出会いをいただけながら、<雑誌を通して人物を伝えること>に対し、思考してきたつもりではありました。
実のところ、私にとって安田さんは、勝手ながらにそんな自分の仕事への思考を与えてもらったそのお一人でもあります(ホントに勝手ながらです、ずっと感謝してました)。
ですので、今号取材で安田さんにがっつりお会いできて、これから雑誌編集としても、なんだか初心に戻って頑張れるようにも思った次第です。一介のこんな編集者にも刺激をいただける、そんな素敵な俳優さんでございます。

最後に、
手前味噌で恐縮ですが『ダ・ヴィンチ』の単独表紙プラス特集となると、正直、企画を通すのにも時間や説得が要ります。
それはきっと、30代の安田さんのキャリアでは、なかなかに難しかったことではないかと思います。
今号の特集を担当できたことは、北海道から始まった俳優人生、前を走る仲間を見つめ様々な想いを抱えながらも、安田さんがコツコツと丁寧に頑張ってこられた結果であり、すべてなのだと思っています。

そしてNACSメンバーから寄稿をいただけたり、特集作業中に大泉さんが連絡をくださったりで(常に優しい)、本当に安田さんもNACSメンバーもやっぱり素敵だと改めて感じました。
また相変わらずの応援と優しさで、お忙しい中アンケートに時間を割いてくださったファンの皆様にも感謝ばかりです。
出来ましたら、11年目も変わらず彼らを追いかけていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします。