理不尽な目に遭いまくる薄幸OL耐え子が今日も耐えまくる! 大人気Twitterコミックがついに書籍化
更新日:2018/9/25
だれしも働いていれば色々なことがあるもの。仕事をムチャ振りしてくる上司や、空気を読むのがマストな同僚との人間関係…。いつもはオトナの余裕で受け流していても、時には「なんで私だけ!?」と叫びたくなる夜もあるはず。そんなあなたの心に寄り添ってくれるギャグ&コメディ漫画が『耐え子の日常』(そろそろ谷川/DLEパブリッシング)だ。本作は、Twitter投稿でフォロワー数12万人超えという大人気作品を書籍化したもの。厳選エピソード&本書だけでしか読めない豪華書下ろしも追加で、Twitter派も満足の1冊だ。
困り眉毛がチャームポイントの辛抱耐え子は、どこにでもいる普通のOL。そう、極端に気遣い屋さんで忍耐強いという点を除いては…。
そんな耐え子の毎日は過酷だ。例えば職場での一コマ。同僚との恋バナで「浮気するイケメン」と「浮気しないブサイク」の2択を迫られるが、空気を読んで「う~ん…浮気しないブサイクかな~」と苦渋の選択をする耐え子。ところが…。
プライベートでも油断は禁物だ。同僚を部屋に呼んで楽しくお泊まりと思いきや、その時「だけ」、ペットのオウムが教えたことのないネタを連呼しだす。
業務中も容赦ナシ。上司から軽~いノリで「やっつけてもらっていいかな?」と、同僚が渡されたのは書類1枚なのに、耐え子がやっつけるのは…。
なんだかんだ言いつつも、与えられたミッションを全てこなしてしまう耐え子。「神は乗り越えられる人にしか、試練を与えない」ともいうが、もしや耐え子、すごくデキる女…? そんな思いが一瞬頭をかすめるが、耐え子の困り眉毛が「ただの薄幸OL」を全力で主張している。
そのほか、自分のバースデーパーティのサプライズを全力で盛り上げるはめになったり、同僚の恋を応援しようとしてドハマりしたりと理不尽な目に遭いまくる耐え子。
しかし読後感がどこか温かいのは、彼女の忍耐は「誰かのせい」ではなく「誰かのため」だからかも。周囲もその優しさを理解し、耐え子が愛されているのが伝わってくる。
合い言葉は「平気平気!」で、OL耐え子は今日もゆく! 笑いと共感の入り混じった不思議な癒しをくれる本書は、全国の無数の“耐え子”たちに愛をもって届けたい1冊だ。
文=桜倉麻子