“SNS”はアメリカでは通じない!? 意外と知らない和製英語
更新日:2018/9/20
みなさんの身の回りにはありとあらゆる和製英語があふれている。機械類に電気を送り込むために壁についている電源の意味で使われる“コンセント”が和製英語だということは多くの人が知っているだろう。
しかし、和製英語の中には「え、これって英語じゃないの?」と思ってしまうようなものもたくさんある。たとえば、“タッチパネル”だ。これはいかにも正しい英語のようだが、残念ながら英語話者には通じない。“SNS”だって立派な日本語だ。これもやはり英語話者には通用しないという。
身近に英語を話す外国人が少しずつ増えてきた昨今では、和製英語を知らずに使っただけで会話はあらぬ方向へ…といったこともありうる。今回は、そうしたことを防ぎつつ、和製英語について正しい英語での言い回しを学べる『ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?』(アン・クレシーニ/ぴあ)をみなさんに紹介しよう。
ちなみに言っておくと、“コンセント”は英語でoutletまたはpower point(差し込むほうはplug)で、“タッチパネル”はtouch screen、“SNS”はsocial mediaだ。
■“フリー”がつくものすべてが「自由」「無料」とは限らない
“フリーカメラマン”、“フリーター”、“フリートーク”、“フリーダイヤル”…、“フリー”とつく言葉をとりあげてみると枚挙にいとまがない。実はここで紹介した言葉はすべて和製英語である。正しくは、前から順にfreelance photographer,part-timer,small talkだ。
freelanceは「主君に従属しない自由騎士」というのがもともとの意味で、ここでの“フリー”には「自由」の意味がある。“フリーター”と“フリートーク”にも同様に「自由」の意味が込められているのはお分かりだろう。そして“フリーダイヤル”の“フリー”は「無料」の意味で使われていることもまたピンとくる。
ところで、“フリーマーケット”はどうだろう。実はこの“フリー”は英語で書くとfreeではなくfleaだ。意味は「(虫の)ノミ」である。つまり、“フリーマーケット”は青空の下で一般市民によって自由におこなわれている市場(いちば)ではなく、ノミがついているかもしれない中古の衣料品などを売買する市場を指している。日本語でも「蚤の市」と言ったりするではないか。
■長い英語を短縮するのも和製英語の特徴
コンビニ、(駅の)ホーム、パソコン、コピペ、イメチェン、ボールペン。これらの英語での正しい言い回しはそれぞれconvenience store(コンビニエンス・ストア),platform(プラットフォーム),personal computer(パーソナル・コンピュータ),to change one’s image(チェンジ イメージ),ballpoint pen(ボールポイント・ペン)だ。どうやら長めの英単語や熟語をコンパクトにまとめてしまうのも和製英語の特徴のようだ。
先に紹介したものの中で「えっ、これも短縮語なの?」と驚いてしまうものがあるのではないだろうか。そう、(駅の)ホームだ。正式にはplatform(プラットフォーム)というのだが、日本人はどうもファ行の音が苦手なようで、プラットを省略してホームと言ったり書いたりしてしまう。携帯電話にとって代わったあの板も“スマホ”と言ってしまうことからも納得だ。
本書を通じてきっといろいろな驚きや新発見が得られるだろうし、英語で会話をする際にうっかり和製英語を使ってしまって相手を混乱させてしまうなんてこともなくしていけるはずだ。
文=ムラカミ ハヤト
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