2人で食費月2万! だけど無理はしない、“楽しい節約料理”レシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2018/10/4

『マンガ 月たった2万円のふたりごはん』(奥田けい/幻冬舎)

 節約料理というと、「物足りない」「我慢の連続」と暗いイメージを持つ人も多い。単にお腹いっぱいになればいいというわけではないし、食事にまでストレスを抱えたくない。さらに1人暮らしならまだしも、2人以上で生活している場合は相手のことだってある。自分だけがやる気になっても、節約はうまくいかない。

 だが、『マンガ 月たった2万円のふたりごはん』(奥田けい/幻冬舎)によると、うまくすれば“2人で月2万円”なんてことも可能らしい。本書には、無理なく楽しく“夫婦で月2万円”を実現している著者の、リアルな節約料理が描かれている。

 例えば、夫が休みの日は、2人で散歩がてら安いスーパー巡りをしたり、余りものをアレンジしたり、鰹節やツナ缶など実家から送られてくる日持ちのする食材をうまく活用したり……。ドレッシングも、ただサラダにだけ使うのではなく、炒め物に使うなど余らせない工夫をしている。

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 また、夜遅くのごはんも、低コストかつヘルシーで、なのに夫にも大好評なものに仕上げる。本書は、工夫によって安くても美味しい料理が作れる“ワザ”の詰まった本なのだ。そこで、そのワザやコツを見ながら、筆者も真似して作ってみた。

■「エノキの肉巻き」(P.34)

 1つめは、野菜が高いときに重宝するきのこを活用した「エノキの肉巻き」。豚こま肉を並べて塩コショウをふり、そこにエノキを置いて巻く。あとは片栗粉か小麦粉をまぶしてフライパンでこんがり焼くだけ。

 粉をまぶしたことでボリュームもしっかりとあり、見た目にも本書にある通り何となく“料理できる人っぽい”。シソが余ってたので一緒に食べてみたら、これは美味しい…! シソが安いときはぜひ一緒に試してほしい。甘辛いタレを絡めたり、カレー味にしたりしても美味しそう。

■「ニンニクみそ」(P.43)

 2つめは、いろんな料理に使えるとっても便利な調味料「ニンニクみそ」。著者はニンニクが安く手に入った際にまとめて作っておくらしい。ニンニクをすりおろし、酒、みそ、みりん、鰹節、好みで砂糖を加えてよく混ぜ、煮沸消毒したビンに詰めれば完成。

 おにぎりに塗ってトースターで焼き、焼きおにぎりにしたり、

 キャベツやにんじん、ピーマン、豚肉と一緒に炒めて回鍋肉風にしたりといろいろ使える。

 本書内では、ほかにも「担々麺風」「バーニャカウダ風」にも使っていた。甘辛いみそにニンニクが効いていて、これ1つでご飯やお酒と相性抜群の味に仕上がる。だいたい1週間~10日で食べきれる量で作るといいとのこと。

■「できる女に見える湯どうふ」(P.62~P.64)

 最後は、遅くに帰ってきた“夫くん”のためにと考えられた「できる女に見える湯どうふ」。まずタレ用に、刻んだネギ、大根おろし、鰹節、ポン酢、七味を混ぜておく。あとは1人用鍋に水と昆布を入れて出汁をとり、そこに切った豆腐を入れて沸騰させずに温めれば完成。昆布はえぐみが出るので、沸騰する前に取り出しておく。

 薬味たっぷりのタレが熱々の豆腐にしっかりと絡み、ヘルシーながら物足りなさを感じさせない。遅い時間に食べるのにぴったりの一品。ちなみに料理名は、「ちょー簡単なのに手が込んでいる風に見える」からこの名前なんだとか。

 どれも安い、少ない食材で簡単に作ることができるのに、手抜き感を感じないものばかり。著者が夫くんと楽しんで節約している様子が伝わってくる。食費月2万円なんて1人暮らしでもなかなか難しい金額だが、生きていく上で絶対に必要なものだからこそ、実現できれば大きな節約になる。ついつい食費がかさんでしまうという人は、ぜひともこの『マンガ 月たった2万円のふたりごはん』の節約術を活かして、無理のない節約にチャレンジしてみてほしい。

調理・文=つきのんキッチン