なぜ昼過ぎの会議は眠たくなるの? 仕事効率を確実に上げる睡眠の法則
公開日:2018/10/6
昼食が終わった後、14時頃からの会議に出ると、ついウトウトとしてしまいやる気がでない…ということはよくある(ありますよね?)。午後眠たくなってしまう原因は、「昼食でお腹が一杯になったから」だとよく言われるが、本書『あなたの人生を変える睡眠の法則』(菅原洋平/自由国民社)によれば、たとえお昼を抜いたとしても、午後には眠くなってしまうようである。それでは、この眠気に打ち勝つにはどうすればいいのだろうか。本書は、私たちの睡眠に関わる“3つの生体リズム”を基準に、日中のパフォーマンスを高める朝・昼・夕の法則を教えてくれる。
■私たちの眠気を左右する“3つの生体リズム”とは
著者によれば、自分の“やる気”を引き出すためには、ふたつの必要な条件があるという。それは、脳がしっかり目覚めていることと、脳の中の記憶が整理されていることだ。そして、本書で提唱されている“睡眠の法則”が、それらを可能にしてくれるという。著者は、以下の3つの生体リズムを元に、朝・昼・夕の法則を提唱している。
●メラトニンリズム…睡眠を誘発するメラトニンが増減するリズム
→【朝5分】光の法則:光を見てメラトニンを減らし、脳を覚醒させる
●睡眠―覚醒リズム…「脳幹」が「大脳」を眠らせようとするリズム
→【昼5分】負債の法則:目を閉じて脳の睡眠物質を減らす
●深部体温リズム…体の内部の温度が変化するリズム
→【夕方5分】体温の法則:姿勢を良くして体温を上げ、眠り始めの体温を下げる
光を浴びることで減少する「メラトニン」については、耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。本稿では、「睡眠―覚醒リズム」に焦点を当てて、昼にするべき習慣について紹介したい。これは、近年いくつかの企業で導入されはじめた「昼寝タイム」にもつながる話だ。
■なぜいつも午後の会議は眠たくなるのか?
午後の会議で眠たくなる現象には、「睡眠―覚醒リズム」が関係している。これは、脳の働きを保つために、1日2回大脳を積極的に眠らせようとするシステムで、およそ起床から8時間後と22時間後に作用するという。例えば、朝6時に起きたとすれば、1回目は昼食後の14時ごろ、2回目は明け方の4時ごろに急激に眠たくなる(徹夜をしたとき、4時ごろに眠くなった経験はないだろうか?)。
このリズムを元に著者が提唱するのが「昼5分―負債の法則」だ。内容は簡単で、起床から6時間後に5分間目を閉じるだけ。会社で仮眠をとることが難しくても、椅子に座って目を閉じるだけで眠気を減らす効果が充分にあるという。この法則は、起きてから「6時間後」というタイミングも重要だ。「睡眠―覚醒リズム」で最も眠たくなる「8時間後」よりも“前”に行うことで、そこからだんだんと脳の活動を高めることができる。さらに余裕がある場合は、10~15分の仮眠を取ることが理想的だという。
本書では、朝・昼・夕の3つの習慣以外にも、「夜中のお菓子は食べていいのか?」「朝のコーヒーは本当に必要か?」「仕事柄徹夜が必要な場合はどうすればいいか?」など、私たちがいつも気になっている睡眠に関する疑問にも答えてくれるので、ぜひこちらも参考にしてみてほしい。睡眠がおろそかになってしまうと、本来持っている実力を十分に発揮できなくなってしまう。本書で「睡眠の法則」を学び、仕事や勉強で自分本来の力を出し切れるようになってほしい。
文=中川 凌