ゴッホ「今日もまた仕事で、つらい一日だった」……誰もが共感! 偉人たちの「ざんねん」な名言集
公開日:2018/10/8
日頃、ささいなことで落ち込んでしまうことはないだろうか。自分の言動や人の目を気にしすぎたり、同じ失敗を繰り返したりして、自己嫌悪に陥ってしまう……。そんなとき、無理にポジティブになろうとしても、うまくいかなかったりすることは多い。
『ざんねんな名言集』(真山知幸/彩図社)は、さまざまなジャンルで成功を収めてきた偉人たちの「ちょっとざんねんな名言」を集めたもの。彼らのネガティブにも思える言葉たちを読んで共感し、自分の苦労を振り返って慰めてみてはどうだろうか。本記事では、本書から彼らの「ざんねん」な言葉たちをいくつか紹介する。
■ゴッホ「今日もまた仕事で、つらい一日だった」
フィンセント・ファン・ゴッホはオランダ生まれの印象派の巨匠。精神的に不安定な生涯を送ったことで有名な彼は、友人に宛てた手紙に「今日もまた仕事で、つらい一日だった」と綴った。画家として生活できなかった彼はさまざまな職を転々としていた。兼業作家としての苦しみを表したのがこの言葉だ。ゴッホは死後に大きく評価された。生前は誰しも共感できる「仕事の苦しみ」を語っていたのだ。
■西郷隆盛「あなたは恐れながら田舎者ですから」
NHK大河ドラマ『西郷どん』でも活躍中の西郷隆盛。幕末に、倒幕・維新に尽力した。西郷が「安政の大獄」により島流しに遭うと、大久保利道が薩摩藩の最高権力者・島津久光にかけあって帰藩させた。そんな恩のあるはずの久光の上京計画に西郷は「今軍勢を率いて京に入れば、大混乱になるに違いもはん。御前には、恐れながら田舎者であられるゆえ」と反対した。そんな飾らない意見を言える彼だからこそ、維新を成功させられたのかもしれない。
■石川啄木「何をする気もない」
石川啄木は、明治の浪漫派歌人・詩人である。そんな彼だが、会社員としてはかなりのダメ社員だった。朝11時まで布団の中でこう葛藤している。「社に行こうか、行くまいかという、たった一つの問題をもてあました」「こういう生活をいつまで続けねばならぬか? この考えはすぐに予の心を弱くした。何をする気もない」。浮気が妻にバレないようにローマ字で日記を書いていたこともある彼。そんな繊細さが明治を代表する作家に彼を育てあげたのかもしれない。
本書にはさまざまな偉人の「ざんねん」な名言が、「人間関係編」「仕事編」「恋愛・家庭編」「病気・ストレス編」「人生観編」に分かれて収録されている。偉人のプロフィールと名言エピソードが、カラーのイラストと共にわかりやすく載っているので、自分がいま悩んでいるジャンルの名言を探してみてはいかがだろう。
偉人である彼らでも、普通の人間のように「ざんねんな言葉」を発することがあった。それが「名言」となるのも、その逆境や葛藤をバネにして邁進したおかげかもしれない。成功の鍵となる言葉は、いつもポジティブでかっこいいわけではない。一見役に立たなそうな経験や言葉にも、学ぶところがあるのではないだろうか。
文=ジョセート