オウム返しは使い過ぎ厳禁! “いい感じ”に雑談するためのスキル
公開日:2018/10/10
『笑っていいとも!』のタモリの会話をすべて文字起こしし、自室でポスターの女性に毎日何百回も話しかけるタスクを自分に課す……これは、『結局どうすればいい感じに雑談できるようになるんですか?』(川島達史/サンマーク出版)の著者の実話だ。著者は18歳のとき軽度の対人恐怖症になり、自室に引きこもった。誰にも話しかけることができなくなり、「話ができないなら、会話の原理を全部学ぶしかない」と決心。その後大学院で雑談の研究をしながら会社を設立。年間100以上の講座を12年間続けてきた。そんな著者が「雑談に使える選りすぐりの9つのスキル」を本書で紹介している。
■オウム返しは使い過ぎ厳禁
会話術の定番といえば「オウム返し」。しかしこれは、上手に使わないと不自然に聞こえるものだそう。オウム返しを使うのはOKだが、多用は厳禁。そのかわりに「言い換えのオウム返し」を使ってみよう。たとえば相手の「朝、健康のためにトマトジュースを飲んでいるんですよ」という言葉に「トマトジュースですか!」と返すのがオウム返し。これを「トマトジュースは体に良さそうですものね」とちょっと言葉を換えて返すのが「言い換えのオウム返し」だ。これは自然な感じの受け答えとして、相手には受け入れられやすいという。
■直近5〜6時間のことをひとことつぶやくと相手が食いつく
誰でも「沈黙」は気まずく思うものだ。そんなときに、質問ばかりで沈黙を解こうとすると、会話のハードルが高くなり、かえって場が静まってしまうそうだ。たとえば「さっきコンビニで、新発売のお菓子を買ったんだ」という発言でOK。直近5〜6時間のことは、ネタの宝庫。「うまくいく」会話が思いつかない人でも、それなら話すことがあるはず。相手が食いつくまで「ひとりツイッター状態」で会話の糸口を探ってみよう。
■価値観が合わない人と話すときは主語を相手の名前にする
会話のなかでは、好みや意見が合わないことも出てくる。このとき相手の言ったことに対して「私は同じ意見ではない」ということを言う必要はない。とはいえ、無理に相手に合わせるのも辛い。そんなときは「あっ、○○さん(相手の名前)はそうなんですね」と主語を「相手」にして返すと、感じが良くなる。相手の意見を認めている、という印象になるからだ。同意ができないときは、主語を相手にすると、会話は続くという。
雑談は日常生活と切っても切れないもの。多くの人がうまく会話できないことに悩み、コミュニケーション能力の高い人に憧れる。雑談を乗り切る力があれば、一生の力になるだろう。そうなれば、人前に出ていくストレスも軽減する。雑談の力は心の余裕を生み、あなたが社会で身につけていきたいスキルの手助けになるだろう。「結局どうすればいい感じに雑談できるんだ?」と悩んでいる人には、ぜひ手にとっていただきたい一冊だ。
文=ジョセート