30代の生理不順は不調からのSOS! 『31歳からの子宮の教科書』

出産・子育て

公開日:2018/10/14

『31歳からの子宮の教科書』(宗田聡/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 仕事をバリバリこなし、プライベートも忙しい独身のアラサー、アラフォーの女性たち。昨今では「結婚や子どもは仕事が落ち着いてから」という考えの人も珍しくなくなっています。

 そんな女性たちに警鐘を鳴らすのが、『31歳からの子宮の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者、広尾レディースクリニックの院長・宗田聡先生。「今の健康や今後の妊娠など、たくさん心配事がある一方で、それらの基本的なことを驚くほどご存じないという現実があります」と話します。

 無理がきいた20代と違い、免疫力や体力が落ちるこれからは、自分のからだときちんと向き合わなければ病気のリスクが高まります。さらに、「仕事が落ち着いてから」と思って体を顧みないでいると、体が妊娠に耐えられなくなることも!? 本書は大人の女性ならではの体との付き合い方を丁寧に解説。「どんなふうに変わるの?」と気になったら、今から少しだけ本書の内容をのぞいてみましょう。

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30代の生理は安定しているもの。体の声を見逃さないで!

 生理不順を「忙しいから」と放置していませんか? それは危険です! 「すでに正常なリズムになっているはずの 30代の女性が生理不順になっているのなら、やはり何かしらの原因があると考えてください」と宗田先生。

生理不順は「今は妊娠よりも生命維持」と脳が判断

 30代の女性が生理不順になったら、「体が悲鳴を上げているのかも」とまず疑ってください。生きものとしての女性の体は、子孫を残す=妊娠・出産をすることを命題として動いていますが、それは自身が健康であってこそ。生理が止まることは、「今は子どもを作っている場合ではない!」と脳が判断し、生理を起こすための女性ホルモンを出さなくなったということなのだとか。次のようなことが思い当たった人は要注意です。

・短期間の急激なダイエット(いつご飯を食べられるか分からない)
・過剰な運動(原始人がマンモスに追われながら子作りできないのと同じ)
・いつも仕事に追われ、ストレスを抱えている(常に敵から追われ、神経をとがらせている)
→体が死の危険にさらされているため、子育てより命を優先!

 生理のサイクルは人によって異なりますが、大体24~35日。しかし、それ以上サイクルがのびている人は要注意。ピルなどでコントロールしているわけでもないのに生理が長く止まってしまうと、妊娠しづらくなるケースもあるそう。将来出産を考えているのなら、正しいサイクルで生理が起こっているか管理し、自分の体の状態を知っておきましょう。

高齢出産はリスクをよく知った上での「選択」であるべき

 高齢出産した芸能人のニュースを頻繁に耳にするようになり「私もその頃までに」と30代後半~40代での出産を望む人も増えてきました。今の女性たちはいくつになっても若くて元気ですが、医学の上では「高齢出産」。母体に相当な負担がかかります。宗田先生からは「体を40年も使ってきているのですから、車で言えばクラシックカーのようなもの」と愛ある心配の声が。

妊娠時、お腹に赤ちゃんができると、身体を流れる血液の量は1.5倍に増えます。(中略)クラシックカーの部品のゴムが固くなったりひび割れていたりするのと同じように、血管も弱ってきたり、切れたり、破裂することもあるかもしれません。出産の際に、血管の破裂や脳梗塞、心筋梗塞を併発することもあります。

「高齢出産は危険」ということを漠然と分かってはいても、具体的にどのようなリスクがあるのかを挙げられる人は少ないのではないでしょうか? 母体の負担だけではなく、流産の確率が高いなど、高齢出産はさまざまなリスクを孕んでいます。大人の女性として、リスクも理解した上での「選択」であるかどうか。自分に問いかけてみることも大切です。

文=箕浦 梢