日本人なら絶対に読んでおきたい国民的ギャグ漫画まとめ

マンガ

更新日:2018/10/30

 名作は時代を超える。それはギャグマンガのキャラクターたちにも当てはまるだろう。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉や、近年リメイクされた『おそ松くん』の六つ子、今もCMに使われている『Dr.スランプ』のアラレちゃんなどは、作品を読んでいなくても誰もが知っている国民的キャラクターだ。彼らは、初登場時から何十年と経過し、連載が終了した後も、たくさんの人たちに愛されている。本稿では、そんな国民的キャラクターが登場する“不朽の名作”と呼ぶべきギャグマンガを7つ紹介する。

■大人になっても大人気! 国民的な六つ子コメディ!

 まずは、未だに人気の衰えない伝説的なギャグマンガ『おそ松くん』(赤塚不二夫/竹書房)。顔がソックリな松野家の六つ子を中心に、イヤミ、チビ太たちがドタバタ劇を繰り広げる。作品自体は読んでいなくとも、設定は知っているという人は多いはず。元々は、1962年から『週刊少年サンデー』に連載されていた作品だが、2015年に登場人物が成長してニートになった設定の「おそ松さん」としてアニメ化された。そこから若い層にも知られるようになり、近年再び脚光を浴びている。「おそ松さん」と原作の違いを比べてみるのもおもしろいだろう。

■「これでいいのだ!」 赤塚不二夫のもうひとつの代表作

『おそ松くん』と並ぶ赤塚不二夫氏の代表作が『天才バカボン』(竹書房)だ。定職に就かず「これでいいのだ!」を口癖に楽しく生きているパパや、天然キャラのバカボンたち家族と、「レレレのおじさん」などの個性的な脇役たちが織り成す名作ギャグマンガ。『おそ松くん』の連載と並行して、1967年から『週刊少年マガジン』にてスタートした。パパのハチャメチャな言動が引き起こす騒動を見ていると、私たちももう少し適当に生きてもいいんじゃないかと思えてくる。

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■最終回が掲載されたジャンプは売り切れに! 一昨年200巻で完結した名作マンガ

 2016年、200巻という大きな節目での完結が話題となった『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本 治/集英社)。破天荒で行動力のある両津がさまざまな問題を引き起こし、それに気づいた部長の大原が「両津のバカはどこだ!」と叫ぶ…というのがお決まりのパターンだ。

 また、長寿連載である『こち亀』には、その時代ごとの社会のあり方も反映されている。当時の流行りが作品に取り入れられていたり、「今じゃこんな表現できないな…」という台詞もあったり。まさに40年間、日本とともに歩いてきた名作である。

■マンガ界の最先端を走り続ける高橋留美子の出世作

『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』…常に時代を超える名作を生み出し続けている高橋留美子氏。そんな彼女の出世作が『うる星やつら』(小学館)だ。主人公の諸星あたるは、この世の不幸を集めてしまう「見るからに凶相の持ち主」。ある日突然、彼は宇宙人の美少女・ラムちゃんと地球の侵略をかけた鬼ごっこをすることになる。だが、ひょんなことからあたるはラムと結婚することになり…? ギャグ、SF、ラブストーリー…『うる星やつら』には、現代のマンガにも通じるさまざまな要素が盛り込まれている。

■『ドラゴンボール』の鳥山明が描くSFコメディ

 今もテレビCMなどに使われている国民的キャラクター・アラレちゃん。彼女が登場するのが『Dr.スランプ』(鳥山 明/集英社)だ。「Dr.スランプ」こと則巻千兵衛は、人間型ロボット・則巻アラレを作り上げる。だが、彼女の視力はド近眼で、パワーはすさまじく、喋り方は独特で…。ゲンゴロウ島にあるペンギン村を舞台に、アラレちゃんと仲間たちのハチャメチャな日常が巻き起こる。単行本のおまけページには、ライバルキャラ「Dr.マシリト」のモデルにもなった伝説の編集者・鳥嶋和彦氏とのやりとりも。

■子供が絶対大好きな下ネタギャグマンガ

『クレヨンしんちゃん』(臼井儀人/双葉社)の主人公・野原しんのすけがおしりを出している姿は、一度見たら忘れられない。親からいくら「下品だ」といわれようとも、子供にとってはあれがおもしろくて仕方ないのである。“嵐を呼ぶ幼稚園児”しんのすけとその家族、幼稚園の仲間たちが引き起こすおバカな日常は、大人になった今読んでも刺激的で、むしろその自由奔放さがうらやましくてしかたない。著者の臼井儀人氏は2009年に不慮の事故で亡くなったが、TVアニメや劇場版は今も作られている。

■“あたしンち”のお母さんは見た目も性格も強烈で…!

『あたしンち』(けらえいこ/KADOKAWA)は、お母さん、みかん、ユズヒコ、お父さんの4人家族と、その友達たちが繰り広げるギャグマンガ。その登場人物たちは、面倒くさがりだったり、おっちょこちょいだったり、文句ばかりいったり…決して完璧な人間とはいえないが、とても人間味がある親しみやすい存在だ。子供の頃、家族と一緒に毎週TVアニメを楽しみにしていたことをよく覚えている。同作は、読売新聞日曜版に18年近く連載され、2015年に発売された21巻で完結している。アニメしか見ていなかった人も、原作マンガで久しぶりに『あたしンち』の家族に会ってみては?

 どの作品も有名なものばかりだが、巻数が多いものもあるから、なかなか全てを読んでいる人はいないだろう。特に若い世代なら「名前は知ってるけど、読んだことはない」というものが多いはず。また、「子供の頃にアニメだけなら見た」という作品も、大人になって原作を読んでみれば、当時とはまた違う味わいがある。本稿をきっかけに、日本を代表する名作マンガを手に取ってみてはいかがだろうか。

文=中川 凌

※記事本文に誤りがあったため、公開後に一部内容を変更させて頂きました。
読者の皆様にご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。