月10万円をラクに稼げる!? 自己資金ゼロで開業できるネット物販ガイド
公開日:2018/10/25
ヤフオク(Yahooオークションの略称)やメルカリなどのプラットフォーム(個人間で売買を行う場)は大賑わい。個人が不用品を販売することは身近で手軽になった。本書『ちょっと副業をしてみたい人のための 月10万円をラクラク稼ぐ 輸入・ネット販売』(品川広平/ソシム)はこれをネット物販業として副業に高め、さらには脱サラを目指すための手引き書である。著者品川広平氏は大手ハウスメーカーを40歳で退職し、ヤフオクを活用した個人輸入販売に取り組み、さらにそのビジネスの大部分を自動化したという強者だ。
著者の人生の転機はこのプラットフォームを強烈に集客できているショッピングモールと見立て、そこに出店コストなしで店を出せると気づいたことだ。「こんな素晴らしいチャンスに溢れた時代に生きていることに気づいてほしい」と著者は述べる。パソコンひとつあれば仕入れも販売もできるネット物販業は副業の条件「在宅」かつ「すきま時間でできる」を満たしているという。リアル店舗を開業するには多額の自己資金が必要で、それはまさに人生を賭ける規模のリスクを負うことだが、ネット物販業はこの覚悟も不要なのだという。
著者おすすめのネット物販は輸入販売だ。海外のオークションサイトeBayで仕入れ、ヤフオクやメルカリで販売すれば個人輸入業が即開業できるという。ヤフオクの落札相場から輸入品を探し、eBayのその商品の相場を把握し、価格差が利益になりそうなら仕入れ候補に登録し、出品されたら仕入れる、が基本ステップだ。著者は「儲かる商品」、つまり希少価値が高いものや海外でしか手に入らないものは無数に思えるほどあるという。それを探しだすキーワードは「未発売」「未入荷」「アメリカ限定」「世界限定xx台」などとのこと。本書に掲載の実例は大いに参考になりそうだ。
利益確保には、落札手数料、梱包などの販売経費や、輸入の場合は関税と輸入消費税なども考慮しなければならない。著者は一般的に30%以上の利益率を目指すのが妥当であるという。在庫の回転率も、過去いくらでいくつ売れ、現在の出品数つまりライバルは何人いるか、を調べることで需要と供給量を掴み、その見通しを持つべきだという。不良在庫であれば宣伝と割り切り「ゼロ円スタート希望落札価格無し」で売り切る判断も時として必要だからだという。
売れた後の対処についても細かくアドバイスされている。最も気になることがトラブルへの対応だ。品質問題へのポリシーは事前に周知すること、偽物だった場合の対処法、癖のある落札者への対策など、実践に基づいたノウハウは役に立つこと請け合いだ。
著者は「仕入れ資金さえも無ければまずは不用品販売を資金作りとして始めればよい。自力で収入を得る喜びを味わって欲しい」という。それは著者同様にあなたの人生を広げるのかもしれない。
文=八田智明