帰って30分以内、時間もお金もかけずにお店の味! 予約が取れない伝説の家政婦が教える、ワザありレシピ
公開日:2018/10/26
予約が取れない伝説の家政婦として、日々お客さんの食事をサポートしている「タサン志麻」さん。1週間分の食事を3時間で作り上げるという驚異の実力で、多くの利用者から高い評価を得ている。そのため、志麻さんというと「作り置き」をイメージする人も多い。しかしプライベートでの料理は作り置きするのではなく、帰宅後30分以内にちゃちゃっと作ってしまうらしい。
『志麻さんの自宅レシピ 「作り置き」よりもカンタンでおいしい!』(タサン志麻/講談社)は、そんな志麻さんの、プライベートでの料理を紹介しているレシピ本。どれも短い時間で作ったとは思えない、食欲をそそるものばかり。筆者も忙しいとつい食事が適当になりがちなので、時短レシピを習得すべく実際に作ってみた。
■「ステーキプレート」(P.14~P.15)
1つめは、「ステーキプレート」。肉の水けをキッチンペーパーで取って、塩こしょうをふり、熱したフライパンで両面を各1分ほど焼き、アルミホイルに取り出して包み、肉汁を落ち着かせる。フライパンでにんにくを弱火で炒めて香りを出し、温かいごはんを加えておたまで炒め、味付けする。あとはステーキを切り、ごはん、水菜とともに盛り付ければ完成。
器のチョイスを間違ってしまい、プレートというより完全に“丼”になってしまったが、味は変わらないので許してほしい。アルミホイルで包んで余熱で肉汁を落ち着かせることで、安い牛肉が驚くほど柔らかく仕上がった。シャキシャキとした水菜、香ばしいガーリックライス、どこをとってもバランスよく、最後まで飽きずに美味しさをかみしめられる。
■「鶏の照り焼き丼」(P.16~P.17)
2つめは、「鶏の照り焼き丼」。一口大に切った鶏もも肉の水けをキッチンペーパーで取り、塩こしょうをふり、片栗粉を薄くまぶして、フライパンで皮目からしっかりと焼き色がつくまで触らずに焼く。みりん、砂糖、しょうゆの順に味をからめて、トロトロ卵、魚焼きグリルで焼いたししとうとともにごはんにのせれば完成。
みんな大好きな甘辛ジューシーな鶏肉、トロトロ卵に、ししとうが程よいアクセントとなっている。ごはんと一緒に食べれば、きっと「今日1日頑張ってよかった」という気持ちになれるはず! 好みで一味をふっても美味しい。
■「たっぷり野菜ピクルス」(P.62~P.63)
最後は、「たっぷり野菜ピクルス」。水、米酢、塩、砂糖、タイム、ローリエ、粒こしょうを鍋に入れて沸かし、大根、にんじん、れんこんを入れて沸騰させる。沸騰したら玉ねぎ、セロリ、パプリカ、きゅうり、みょうがを加え、再び沸騰したら保存容器に移し替えてプチトマトを入れ、冷蔵庫で冷やせば完成。
さっと加熱することで味しみが早く、短時間で美味しいピクルスが食べられる。作り置きとして書かれているわけではないが、たくさん作って置いておくと手軽に野菜をたっぷり摂れるので、作るときはぜひとも多めに作りたい一品。それぞれ食感が違うのも嬉しい。
どれも難しいことは何一つしていないのに、決して適当なわけではない完成度の高さを感じた。『志麻さんの自宅レシピ 「作り置き」よりもカンタンでおいしい!』には、レシピだけでなく、プロならではのこだわりポイントなど短い時間で完成度の高い料理を作るコツがたくさん紹介されている。ずっと続くことだからこそ、こういった技術や知恵は積極的に取り入れていきたい。
調理・文=つきのんキッチン