今日のイライラがスッと消えることば(1)「怒りを静める呪文がある」

暮らし

公開日:2018/10/29

『怒らないコツ 「ゆるせない」が消える95のことば』(植西 聰/自由国民社)

 勝手なことばかり言う家族、頭ごなしに叱る会社の上司、我が物顔で道路を塞いで騒いでいる人の集団…あなたにとって身近な人でもそうでなくても、ついイライラ、カリカリとしてしまうことはありませんか?

「どういうわけか怒りっぽくなった」「でもそれって私のせいじゃないし…」と日々を送っているうちに、体調不良を感じるようになった人もいるかもしれません。

「怒らないコツ」「怒らないための知恵」を知ることで、ストレスを軽減して平穏な人間関係を築くためのヒントをご紹介します。

 連載第1回(全5回)は、怒りの感情が湧いた時、爆発しそうになった時に、すぐその場で役に立つテクニックをご紹介します。


怒りの感情にとらわれた時には、ゆっくりと深呼吸してみる

怒り出す前に、深呼吸をして気持ちを落ち着ける(本書70ページ)

 怒りの感情にかられている時に、気持ちを静めるために深呼吸がとても効果的なことはよく知られていますが、なぜだかご存じですか? それは、副交感神経の働きがよくなるからだそうです。副交感神経は、人の感情において安心や安らぎをもたらします。怒りの感情にとらわれていると弱まってしまうこの働きが、腹式呼吸によって、バランスを取り戻すことができるのです。「頭にきた!」という時には、まずその場で深呼吸をして、無茶な失敗を避けるようにしたいものですね。

怒りを静めるための自分なりの「呪文」を用意しておく

「呪文」の力によって怒りを静める方法を学んでおく(本書72ページ)

 心理学には「コーピング・マントラ(ストレスに上手に対処する呪文)」という言葉があります。この時の「呪文」は難しいものではありません。たとえば、「気にしない、気にしない」「しょうがない。どうにかなる」といった、自分で考えた短い言葉でも、怒りの感情が湧いた時に心の中で唱えてみると、自然と気持ちが落ち着いてきます。特に怒りっぽい性格の人こそ、こういった呪文を用意しておくのは効果的だそうです。感情をコントロールできることによって、人間関係全体もうまくいくようになります。

腹立たしい相手の顔が見える場所から離れてみる

その場を離れることによって、怒りの感情が和らいでいく(本書74ページ)

「怒りが大きすぎて、いつまでたっても収まりそうにない!」と感じることは多いものですが、意外にも心理学的に「とりあえず、その場から離れてみる」という手法は評価されているそうです。この方法は「タイム・アウト」と呼ばれています。いったん言い争いを休止して場所を離れると、熱くなっていた怒りの感情は冷却されます。もしあなたが、会社の上司、あるいは恋人に対して腹を立てているようであれば、この「タイム・アウト」を試みて、ちょっとした時間、相手の顔が見える場所から遠ざかることは、効果がありそうです。

 この本を開いて、一日の終わりに心のあり方をリセットすることができれば、明日を迎える今の気持ちがスッと軽くなるような気がしてきませんか?

 書かれている言葉は、決して難しいものではありません。あなたの味方になって怒りを静めてくれる「知恵」を、あなたの中に貯めていきましょう。