辛い月経痛を放っておいていませんか? 注意が必要な月経痛の特徴とは

健康・美容

公開日:2018/11/13

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

 本稿では、多くの女性が悩みを抱えている月経痛についてお話しいたします。下腹部の痛みや頭痛など、毎月のことで仕方ないとあきらめていませんか? まずは、月経痛が起こる仕組みやその治療法を知ることからはじめましょう。

■月経痛が起きる仕組み

 月経痛は月経の時期に腹痛や腰痛という症状で現れますが、医学的には「月経困難症」と言います。ひどくなると、痛みだけでなく、頭痛・吐き気・下痢などの症状も伴うことがあります。

 痛みの原因のひとつは、子宮のお部屋の中にある「子宮内膜」から痛みの伝達物質が放出されるため、この内膜がはがれて出血として出てくる時に痛くなります。内膜の厚みが厚いほど、痛みの伝達物質もたくさん作られますので、内膜が厚い=月経量が多いほど痛みが出やすい傾向があります。

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 痛みが発生するもうひとつの要因は、子宮の収縮です。子宮内膜を月経血として押し出そうとするため、小さな陣痛のような感じで子宮がぎゅっと縮こまります。これによって下腹部が絞られるように痛くなることがあります。出血量が多いほど、それを押し出そうとする力が強くなるので痛みも強くなりがちです。また、筋腫で出血がスムーズに出にくくなっていたり、子宮の形が細長くて出血が出にくい場合も痛みが強くなります。

■月経痛がひどいときは内膜症のチェックを

 注意が必要な月経痛の特徴は、「年々痛みがひどくなる」「鎮痛剤が効かない又は効いても1~2時間で効果が切れる」「痛みだけでなく過多月経も伴っている」といった場合です。これらの症状がある場合、月経痛の原因として子宮筋腫や子宮内膜症などの器質的な病気がないかどうかのチェックが必要です。

 特に、子宮内膜症は、早いと10代から発生しますので、上記に当てはまらなくても鎮痛剤が何度も必要な月経痛がある場合は、一度婦人科で超音波検査を受けた方がよいでしょう。

■痛み止めは我慢せずに使うのがポイント

 月経痛の改善方法としては、生活改善と薬物治療があります。

生活面では、

・シャワーで済ませず毎日湯船につかる
・定期的な運動の習慣をつける
・白い砂糖やジャンクフードをとらない
・ビタミンやミネラルをしっかりとる

といったことに気を付けるといいでしょう。

 薬物治療は鎮痛剤や漢方による対症療法と、ピルなどのホルモン剤による治療があります。痛み止めは痛くなり切ってから服用しても効かないので、早めに服用するのがポイントです。

 月経初日に痛みが強くなりやすい場合は、少量の出血があった段階でまず1錠痛み止めを飲んでおくとそれ以上痛みが出にくくなります。漢方は、体を温めたり血行を良くするものを使います。婦人科でよく処方されるのは当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・温経湯・当帰建中湯などです。ピルは女性ホルモンが2種類混ざったホルモン剤で、排卵を抑えて子宮内膜を薄くすることによって月経量を減らし、痛みも軽くしてくれます。ピルを飲むことによって内膜症の予防にもなりますし、内膜症がある場合は進行を抑える効果が期待できます。

 昔は「生理痛は病気ではないから我慢しろ」と言われていましたが、今は「月経困難症」としてさまざまな治療法があります。特に、月経痛治療薬としてのピルは年々種類も増えて副作用が少ないものが発売されています。毎月痛みでパフォーマンスを落とすなんてもったいない! 痛みは我慢せず、上手に付き合っていくものです。まずは、婦人科で相談してみましょう。