「批評家気取り」も「気合でゴー」もやめませんか? それでは問題解決できません!
公開日:2018/11/8
多くの人は、大なり小なり何らかの問題を抱え目標を掲げながら生きています。借金のような切実な問題もあれば、半年以内にパソコンを買い替えたいといったささやかな目標もあります。そして、目標を実現しようと行動を起こして初めて問題が発見される場合も多々あります。でも、パソコンを買いたいという欲求は強いのにお金がなかなか貯まらないような場合には、問題点があなたの意志が弱いことにあるのか、あるいは金銭管理方法に潜んでいるかわからないということも多いかもしれません。
「問題解決」と聞くと、賢い人やエリートビジネスマンがやっている小難しいことというイメージを抱く方もいるかもしれませんが、これは誰でも身につけることができ、そして一生涯使える技術です。ただ、そのために専門書を読むとやっぱり難しいと感じる場合も多いですよね。そこで本稿では、とてもやさしい「問題解決」の入門書を紹介したいと思います。
『世界一やさしい問題解決の授業』(渡辺健介/ダイヤモンド社)は、学生に語りかけるようなやさしい解説で、問題解決の基礎を教えてくれる本です。学生はもちろんのこと、大人になった私たちにとってもすぐに役立つ1冊です。
■心当たりない? 批評ばかりで無責任な人やがむしゃらだけど深く考えない人…
本書ではまず、問題解決が苦手な人がタイプ別に分類されています。一部の例を挙げてみると、
●考えないし行動もとらないのでゴールにはたどり着けず、愚痴を言って日々を過ごす「どうせどうせ」子ちゃん
●何が問題か、誰が悪いか、何をすべきかは言えるが、自分では行動しない。またリスクや結果に対する責任をとらない「評論家」くん
●へこたれずにがんばるがムダが多く、ゴールに最短距離でたどり着けない。結果から学ばないので進化が遅い「気合でゴー」くん
…どうでしょう? あなたもどれかに心当たりはありませんか?
そこで私たちが目指すべきは、本書でいう「問題解決キッズ」。適度に考えたら、まず行動し、そして方向修正をして…と、いわばPDCAを繰り返して最短距離でゴールにたどり着く。また、実行の結果から毎回何かを学び、進化していく。そんな「問題解決キッズ」になるべく、本書の授業を読み進めていく、そのモデルケースが実にわかりやすいのです。
■最短距離で問題解決する方法を、単元ごとにわかりやすく解説!
自分で問題を解決することのできる人、本書でいう「問題解決キッズ」はどのような人なのか。また、問題解決の適切な流れがどのようなものなのか。それは本書の1限目で解説されます。続く2限目では、中学生バンドがコンサートの集客率を上げるための取り組みを例に、問題解決の手法を使って紹介されます。そして最後の3限目では、CGアニメの映画監督になることを夢見る少年が、まずはパソコンを手に入れるために具体的な目標を立て、達成する方法が紹介されています。
今の働き方にはこのような問題点がある(現在の問題点)
↓
新しいビジネスを始めたい(将来の大きな目標)
↓
そのためにまずお金を貯めてパソコンを買いたい(現在の目標)
このような思考の流れには、すべて「問題解決」が関わってきます。
一時的な感情に振り回されることなく現状の問題点を正確に把握すること。現実をしっかりと見据えたうえで目標を設定すること。そのためには何が必要で、どのような行動を取れば良いのか。「問題解決」ができる人とは、これらのことを正確に考えられる人なのです。
問題解決の達人は、なにも冷徹な論理人間や、学校で良い成績をとった人、というわけではありません。自分の描く人生をもっと充実したものにするために、そして大切な人の役に立てるように、問題解決のスキルを身につけることで大きな自信を得られるのではないでしょうか。
文=K(稲)