小学校受験プレ対策!「どうぶつ」「のりもの」で図形への興味を引き出すタングラム

出産・子育て

公開日:2018/11/9

『ぴたっとへんしん プレタングラム のりもの』(かしわらあきお/岩崎書店)
『ぴたっとへんしん プレタングラム どうぶつ』(かしわらあきお/岩崎書店)

 最近は、小学校受験で取り上げられることが多いという図形問題。それを解くためにも必要な図形感覚が身につくと言われているのがタングラムです。

 タングラムとは、三角や台形など、いくつかの図形を組み合わせ、さまざまな形を作って遊ぶパズルのこと。それを、「のりもの」や「どうぶつ」など、小さな子どもにも馴染みやすい形にアレンジし、文章もあって絵本としても楽しめるのが『ぴたっとへんしん プレタングラム』(かしわらあきお/岩崎書店)です。5つのピースを使う「のりもの」と、6つのピースを使う「どうぶつ」の2種類があります。

 筆者の2歳2カ月になったばかりの息子にも、この本で遊ばせてみました。対象年齢は3歳からだし、タングラムに触れるのは初めてなので、ちゃんと遊んでくれるかどうか心配でしたが…。

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『ぴたっとへんしん プレタングラム のりもの』は、車やヨット、気球などが登場するので、車が大好きな息子は自然と興味が持てたようです。本をポンと手渡すと、説明する間もなく、遊び始めました。

 車のシルエットに置かれていたピースをはがしてから、まずは山積みに。今度は端っこからピースを置き、3つほど並べたと思ったら、また外して…と彼なりに試行錯誤している様子。手を止めて一旦考える、という普段は見られない姿も見られ、「考える力を伸ばす」と本の帯に書かれていたとおり、“今この瞬間、まさに「考える力」が育っているのではなかろうか”と、親としてはニンマリ。

 シルエット部分が溝になっているから初めてでもわかりやすいようで、ピタッと1度ではめることも。かと思えば、関係なさそうなところに三角形を3つ寄せて「おうち」のような形が出来上がっていたり。何度も失敗を繰り返しながら、考えを巡らせているようです。

『ぴたっとへんしん プレタングラム どうぶつ』は『のりもの』よりピースがひとつ増えて、難易度が上がります。本の中には、猫、馬、くじらなど、こんなものまで作れるの? という動物がたくさん。

 息子は動物も大好きなので、絵本としても楽しんでいる様子。そして、ページをめくりながら、「(動物が)いない、いない」と溝のくぼんだ部分をさわったり、形を確かめるようにピースをいじいじとさわりながら置いてみたり。いろいろ寄り道しながら、集中すること約5分。普段は少しも止まっていられない息子としては十分に長い時間ですし、無言になるのは集中している証拠です。

 驚いたのは、けっこう難しそうな「猫」のシルエットに、2つのピースをぴったりとはめたことです。おそらく、完成形を見たときの記憶が残っていたのではないかと。グングンと記憶力が伸びるこの時期、そのタイミングを逃さず、ますます伸ばしてくれる手助けになりそうです。

 ちなみに、2日後に再度試したところ、なんと三角を2つあわせると四角になることをマスターした様子! 小さな子どもにとってはそれが難しいと聞くので、息子の中の「図形感覚」の扉が開かれたんだな…と、親としてはホクホク。絵が親しみやすく、オリジナルのピースが少なめなので、小さな子でも入っていきやすかったのではないでしょうか。

 まだまだ親と一緒に遊びたい盛りなので、図形が得意ではないママにとっても、わかりやすくて助かります!

 図形への興味は引き出せたものの、絵を完成させるまでにはもう少し時間がかかりそうなので、まだまだ長く遊べそう。いずれは、このピースを使って自由に創作させたいので、裏表紙に載っている“その他の「のりもの」や「どうぶつ」”の形を参考にしたいと思います。

 考える力や集中力を伸ばし、図形感覚を育んでくれる本書。「図形」にはじめて取り組むお子さんにもぴったりだと思います。デジタル全盛の時代、小学校受験はもちろん、図形感覚のような理数系の力は何かと必要なのではないでしょうか。手軽なサイズなので、外出先でも絵本とオモチャの両方の役割を果たしてくれそうです。

文=吉田有希