佐渡島庸平 今月の「この本にひとめ惚れ」『全米は、泣かない。』『人がうごく コンテンツのつくり方』『時間の言語学 メタファーから読みとく』

文芸・カルチャー

公開日:2018/11/13

『ダ・ヴィンチ』本誌の人気連載コーナー「この本にひとめ惚れ」から、コルク代表・佐渡島さんのひとめ惚れ本を紹介。『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』といった大ヒット作品を世に出した天才編集者・経営者が“ひとめぼれ”した本をチェック!

『全米は、泣かない。』

五明拓弥
あさ出版 1500円(税別)

装丁:吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)
編集協力:本多小百合

芸人にしてコピーライターである著者が、広告業界の一流クリエイターたちに話を聞いて書いたという本。出版界に限らず様々な業界の先端を走っている人の話を、僕自身も分野横断で聞きにいきたい。

『人がうごく コンテンツのつくり方』

髙瀬敦也
クロスメディア・パブリッシング:発行 インプレス:発売 1380円(税別)

装丁:金澤浩二(cmD)
編集:高橋孝介、石田拓也

同じ観点から、こちらもコンテンツのあり方について。著者はTV番組制作者だが、出版業界においても凄く参考になる内容。

『時間の言語学  メタファーから読みとく』
瀬戸賢一
ちくま新書 760円(税別)

装丁:間村俊一
編集:金子千里

数値で測れない時間の価値を、言語―メタファーから読み解く方法論に惹かれた。
お金の価値が下がり、時間の価値が上がっているといわれている今こそ読みたい1冊。

【青山ブックセンターにて彷書】

<プロフィール>
佐渡島 庸平(さどしま・ようへい)
1979年生まれ。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社。
週刊モーニング編集部にて、『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』など数多くのヒット作を編集。
インターネット時代に合わせた作家・作品・読者のカタチをつくるため、2012年に講談社を退社し、コルクを創業。
従来のビジネスモデルが崩壊している中で、コミュニティに可能性を感じ、コルクラボというオンラインサロンを主宰。
編集者という仕事をアップデートし続けている。
●Twiter ID:@sadycork


写真=首藤幹夫
取材・文=田中裕