40代の固い頭を柔らかくするのはゲーム!? 休日にチェックしたい働き方のヒント
公開日:2018/11/25
誰が決めたかは定かではないが、古来、男性は数え42歳が「大厄」とされている。そんなことなど眼中になかった筆者にも、「過去を顧みて、将来を見直せよ」と、どこかで観ている誰かが叱咤するかのような、苦難の日々がたしかに待ち受けていた。
これからご紹介する本書、『40代でシフトする働き方の極意』(青春出版社)の著者、佐藤優氏も、冒頭でこう記している。
40代は、いろいろな意味で人生の分岐点となる時期だと思います。私自身、42歳だった2002年に鈴木宗男事件に関連し背任容疑で逮捕され、大きく人生が変わりました。
しかし現在は作家・論客として、幅広く活躍する佐藤氏。本書はいわば、大厄を成長の糧へと転換できた成功者が40代に向けて指南する、働き方、情報や知識のインプット術、リーダーシップ術、人脈・時間術、人間関係の構築術だ。そしてより良い50代へ向けて、いますべきこと、考えておくべきことなども教えてくれる。
■40代の大人に「ゲーム」が効く理由は?
著者が言葉を向けるコア・ターゲットは、独立・起業を志す人や、会社ですでに幹部としての明るい将来が約束された人ではない。その他大勢の、40代になってなお管理職への道筋に不安がある人、家族がいながらの転職方法やタイミングに現在悩んでいるといったビジネスパーソンたちに向けて、この先、どう生き残りを図っていくかをアドバイスしてくれているのだ。
アドバイスの多くは、著者自身が実践してきたことや、鋭い視線で見通した日本社会の未来予想図に基づくため、「へーっ」と感心したり、「なるほど!」と膝を叩きたくなるようなヒントやノウハウが随所に登場する。
例えば、40代といえばとかく柔軟性が欠落する世代。そこで頭を柔らかくして発想力を鍛える方法として、著者が勧めるのは「ゲーム」だ。
本書には、自分が市長になって街を大きくしていくゲーム「シムシティ」シリーズ他、マネジメント、経営、論理力などを鍛えられるゲームがいくつも紹介されている。
ちなみに論理力を鍛えるために著者は、「この年齢になって公文式の数学の勉強を始めました」と明かし、「論理性は仕事をするうえで非常に大切な能力」だと念を押している。
■40代におすすめの読書法とは?
リーダーシップ術においては、部下などの「嫉妬のマネジメント」が重要なスキルだと指摘し、また、「叱らずに圧をかける方法」やこれからの理想である「相談型上司」になるための心構えなども記されている。
また時間術においては、SNSを「時間泥棒」とバッサリ切り捨て、1日数時間でいいので携帯やパソコンの電源を落として「デジタル機器から遮断された時間」をつくり、読書など自分の時間を持つよう勧めている。
その読書術では、「人間の幅を広げられる」として「ビジネスパーソンにこそ小説が必要」だと著者は指摘する。ちなみに本書には、各章の最後にコラム欄があり、その章の内容を補強してくれるおススメ本が紹介されているので、こちらもぜひ、参考にしてほしい。
■20代、30代の人も今から準備しておいたほうがいいことがある
他にも「40代にこそメンターが必要」「大人のケンカの仕方」「女性と上手な関係を築くコツ」など、示唆に富んだアドバイスがぎっしり詰まった本書。そしてもちろん、決して楽観できない40代、50代のシビアな現実を思い知らされるデータも、さまざまに記されている。
「40代なんてまだ先だし」と思っている20代、30代もぜひ、本書から未来への備えを学びとってみてはいかがだろうか。
文=町田光