“寝入りの90分”が勝負! 翌日に疲れを残さない「睡眠5つのルール」
公開日:2018/11/28
疲れているのに眠れない。睡眠時間をきちんととっているにもかかわらず、眠りが浅い。また、夜中に何度も目が覚める。そんな睡眠そのものに悩みを抱えているオトナの皆様、ご安心ください! 現役の医師も実践する睡眠の質を上げるための方法がギッシリ詰まっているのが『自律神経の名医が実践する「寝入りが9割」の睡眠技術』(小林弘幸/ポプラ社)だ。
本書によると、人間は年を重ねるごとにストレスやプレッシャーが襲いかかるが、自律神経を整えて細胞のダメージを修復するには寝入りの90分がポイント。つまり、寝入りの90分の質さえ高めれば、睡眠時間が短くてもなんとかなるという。
■寝ても疲れがとれないのはなぜ?
そもそも、疲れているはずなのに眠れない原因の1つにストレスがある。布団に入っても眠れないのは、ストレスによって車のアクセルのような役割のある交感神経が過剰に興奮し、熟睡スイッチである副交感神経の働きが低下するためだ。うまく眠れないことにより、本来であれば寝ている間に修復される細胞のダメージが、ほとんど修復されない状態になる。しかも人間、生きている以上、こうしたストレスがなくなることはまずあり得ない。だからこそ日常生活のちょっとした習慣で、質のいい睡眠にシフトチェンジすることが大切なのだ。
そこで鍵となるのが、寝入りの90分で最初に訪れるノンレム睡眠だ。本書には「この寝入りの90分のノンレム睡眠の深さこそが、その夜の睡眠の質のすべてを左右する」とある。まさにこの時間の質を深くすることが、短時間の睡眠時間でも効果的に体を休めることができ、さらに心身のパフォーマンスを最大限発揮できることにもつながってくるのだ。
■寝る3時間前までに食事を! 90分の質を高める5つのルール
特に90分の質を高める「就寝前のルーティーン」があると、熟睡スイッチがスムーズに入るようになり、睡眠の質が見違えるようにアップするという。
例えば「寝る3時間前までにすべての飲食をすませておく」「短い日記をつけ、ストレスになっていることを書き出す」などが、就寝前の5つのルーティーンとして、本書には紹介されている。中でも、ノンレム睡眠を深くするために、寝る前の5分でできる「ぐっすりストレッチ」や「ゆっくり呼吸法」などは、イラスト付き。これなら、すぐにでも実践できそうだ。
この他にも、本書には1日3回の食事によって腸内環境を整えることで、血流が良くなり免疫力もアップするなど、食事との関連性も指摘。本書を読み進めるうちに、暴飲暴食に走りがちな年末年始は、アルコールと食事にも気を配りたくなるだろう。
「私は、もともとストレスに強い人間ではありませんし、意志力においてはなおさら自信がありません。けれども、そんな私がさまざまなストレスを乗り越え、短い睡眠時間のなかで、50代後半を迎えた今も、医師として元気に働いていられるのは、本書で述べた方法を意識して続けられてきたからにほかなりません」と謙虚に語る現役医師の睡眠技術は、どれもすぐに試してみたくなるものばかり。本書を片手に読書に耽った後は、すぐに布団に潜りたくなる一冊だ。
文=富田チヤコ
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