疲労やストレスで脳の老化は20代からはじまる!? 脳を老いさせないシンプルな方法

健康・美容

公開日:2018/11/28

『脳が老いない世界一シンプルな方法』(久賀谷 亮/ダイヤモンド社)

“人生100年時代”。人が100歳まで生きられる時代の到来を告げたこの言葉は、英国ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授が著したベストセラー『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)の中で提言された。定年退職してから数十年、いかに若々しく健康に生きていくかということは、超高齢社会の日本に生きる私たちにとって避けて通れない課題だ。体だけの問題ではない。年齢を重ねても自分の頭で考え、行動し、判断できるよう、脳の健康も同時に心がけなければならない。

『脳が老いない世界一シンプルな方法』(久賀谷 亮/ダイヤモンド社)には、医学博士である著者の日本とアメリカにおける臨床経験を元にした、老いないための科学的根拠(エビデンス)に基づいたメソッドが詰まっている。導入部分は漫画、本文はストーリー形式なので、専門的な知識がなくてもわかりやすく、違和感なく読み進めることができる。

■長寿遺伝子「テロメア」

 近年のエイジング研究のカギとなるもののひとつが、2009年にアメリカの生物学者が解明し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した長寿遺伝子「テロメア」の発見だという。この「テロメア」、二重らせん構造をした遺伝子が寄り合わさってできている私たちの染色体がほどけないように末端を留めているものの名前だ。例えるなら、靴ひもの先の「プラスチックのキャップ」のようなものだという。本書によると「テロメア」を長いまま維持することで、脳の若さを維持することができるという。

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■「脳の若さ」を保つ、世界一シンプルな方法

「脳の若さ」を保つには、ズバリ「瞑想」がよいそうだ。とくに欧米で大流行のマインドフルネスという瞑想法がいちばんだ。マインドフルネスには、脳を停滞させない具体的な方法が多数存在する。いくつか紹介しよう。

・毎朝10分のマインドフルネス呼吸法を行う。
・週3回・40分・中程度の有酸素運動を目安にする。
・食事瞑想として、「なぜ食べたいか」を意識する。
・喫煙、過度な飲酒、過食などの欲求を満たしたいときに起こる体の感覚を意識する。
・年齢に見合った自分の変化を受け入れその範囲内で自分を美しく保とうとする。
・グループでマインドフルネスに取り組む。

 マインドフルネスによって、自分の生活習慣のクセに気づき、悪いところを変えて、良い習慣を維持すること、これを続けることが大切なのだそうだ。

「老い」に関する出版物は増えているという。誰にも平等に訪れる「老い」とどう共存していくかを考えることは、私たちみんなの未来の生活を豊かにすることに繋がっている。「老い」を嫌なものとして避けるのではなく、人生のパートナーとして寄り添い味方につける方が、どうやら得策のようだ。

 そろそろ「老い」と正面から向き合ってみてはいかがだろうか。

文=銀 璃子