恋人がほしい、会社で怒られる…そのお悩みに“神様”が答えるとこうなります!
公開日:2018/11/30
仕事、人間関係、恋愛…この世の中に生きている以上、私たちの悩みはなくならない。悩みを自分だけで解決できなくなると、私たちはネットで検索したり、占いに頼ってみたり、友達に相談したりする。もちろん、それで解決できることもあるのだが――本稿では、ちょっと趣向を変えて“神様”に相談するという方法を提案したい。
本書『人間の悩み、あの神様はどう答えるか』(沖田瑞穂/青春出版社)では、私たち人間が抱える“よくある悩み”に対して、神話のエピソードなどを元に、総勢50の世界中の神様たちがアドバイスをしてくれる。神々が生きた神話の物語は、私たち人間の人生で“道しるべ”となる知識の宝庫だ。さっそく、そのお悩みと回答を見てみよう。
【お悩み その1】
Q. 受験に失敗。人生負け組決定だ…(二浪目が決まった男子)
A. 一度の失敗なんてなんのその。負け続けてもチャンスはくる(タケミナカタ)
回答者・タケミナカタは、“負けても祀られている”という日本の神様だ。日本神話において、アマテラスがタケミナカタの父・オホクニヌシに国を譲ることを求めた際、タケミナカタは最後まで反対した。彼は、アマテラスの使者である剣の神・タケミカヅチと力比べをするが、あっさり負けてしまい、諏訪の地に逃げることになる。ところが、それで人生(人ではないのだが…)が終わるということはなく、後に諏訪では立派な神として祀られた。タケミナカタは人生の大一番で負けてしまったが、それがかえって人生の転機になったのだ。
【お悩み その2】
Q. 仕上げる仕事は完璧なのに、怒られてばかり(いつも納期に間に合わない30代男性)
A. 7割くらいでどう? 私が完璧主義だったら、人間は存在していなかったわね(女媧)
女媧は、中国神話に登場する“人間創造で手抜きした女神”。彼女は、人間を造り出したとき、完璧にはできなかったという(笑)。彼女ははじめ、土を手でこねて一人ひとり人間を造っていた。だが、それでは数がこなせない。そこで彼女は、泥の中に縄をひたし、それを引き上げて滴った泥から手っ取り早く人間を造ることにした。前者は高貴な人間に、後者は凡庸な人間に成長したが、全員を土から造っていたら、人間の社会は永遠に完成しなかっただろう。つまり、完璧さにこだわらず、まずは形だけでも作るべきだということだ。
【お悩み その3】
Q. 彼女がほしい! 彼女がほしい! 彼女がほしい!!(彼女いない歴25年の男性)
A. まずは女性をさりげなく褒めてみよう(オモダル)
オモダルは、“女性の容姿を褒める神”。日本神話において原初に生まれた神のひとりだ。「オモダル」という名前は、対の神として生まれた女神への褒め言葉「あなたの容貌(オモ)は整っていて美しい(足ル)」を神格化したものだという。現代でも全てがそのまま通じるわけではないが、神話にも「男神が褒めて、女神がそれに応える」という流れがあったようだ。彼女がほしければ、まずは女性の素敵なところをさりげなく褒めてみよう。
私たちが日ごろ抱えている悩みは、案外何千年も前に作られた神話の中にも登場していたりする。人類の技術が進歩し、暮らしが豊かになったとしても、私たちが持つ人間的な感情――劣等感や嫉妬、欲望などはそう変わらないようだ。なかなか解決できない悩みのある人は、本書でいつもと違う解決アプローチをしてみては?
文=中川 凌