運動が嫌い? 医師に「運動不足」と言われたことがある人は今すぐチェック!

健康・美容

公開日:2018/12/2

『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(中野ジェームズ修一:著、田畑尚吾:監修/日経BP社)

 健康診断を受けた結果、数値があまり良くなくて、お医者さんに「健康のために日頃から運動しましょう」と言われてしまった人は少なくないだろう。でも、いざ運動をと思っても、忙しくて時間がないし、何をすればいいのかさっぱりわからない…そう悩む人も多いのではないだろうか。

『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(中野ジェームズ修一:著、田畑尚吾:監修/日経BP社)は、そんな悩める人々に向けて書かれた1冊だ。著者の中野ジェームズ修一氏は、フィジカルトレーナーとして青山学院大学駅伝チームをはじめ、トップアスリートの強化にかかわりながら、一般の人々の生活習慣病対策のために、身体機能を向上させるトレーニングを指導してきた人物。豊富な経験をもとに、本書では「運動を始めるときのハードルを下げ、時間がなくても続けられ、やればきちんと成果が出るトレーニングメニュー」を解説してくれる。

 医師に「運動しましょう」と言われるということは、今のままだと病気になる可能性があったり、すでに何らかの症状が出ていたりすることに通じる。このまま運動しない状況が続けば、自分の健康に悪い影響が出てしまうのは避けられない。

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■肩・腰・膝の痛みを簡単な運動で治す!

 深刻な病状というほどではなくとも、若い人からシニア世代まで悩んでいる人の多い、肩、腰、膝の痛みについて、簡単なトレーニングを通じて改善できるという。

 たとえば肩こりの場合、根本的な原因は「肩や首の周辺の筋肉が硬くなり、血行が悪くなること」だ。血行を良くするならストレッチが良いのではと考える人は多いと思うが、実はストレッチには「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類があり、肩こりの場合には「筋肉をいろいろな方向に積極的に動かす動的ストレッチ」が効果的だ。筋肉をゆっくり伸縮するだけでは、こり固まった筋肉をほぐすことができないからだ。

【肩甲骨の三角運動】
(1)両腕を曲げたまま上に引き上げ、まっすぐ下に引き下ろす
(2)次に、腕を引き上げてから肘を斜めに開きながら下ろす
(3)上記1と2を交互にリズミカルに行う(肘で三角形を描くイメージ)

 本書で図解している肩回りの動的ストレッチには、体全体の代謝が高まり、脳への血液流入が増える効果もあるので、デスクワークの途中で眠気を感じたときにも、気分転換をしながら仕事効率を上げることができそうだ(分かりやすい図のほかに、読者特典としてエクササイズの解説動画が見られるQRコードも付いている)。

 本書では生活習慣病として多くの人が気にしている「糖尿病」「メタボリックシンドローム(メタボ)」「高血圧」「脂質異常症」のほかにも、「将来の寝たきりを防ぐには?」「寝ても取れない疲れを取るには?」「久しぶりに運動する人が陥る落とし穴」など、我々が生活のなかで感じる悩みを解決するためのトレーニング方法を解説している。

 また、「腹筋をしてもお腹は凹まない」「汗をかいても脂肪は燃えない」など、運動やトレーニングに関する間違った常識を正してくれる情報も充実している。

 今はまだお医者さんに「運動しなさい」と言われていないという人も、「そういえば最近運動不足だな」と感じていたら、本書が確実に役に立つはずだ。

文=井上淳