雨や低気圧で体調が悪くなるのは理由があった! 医師が教える「天気痛」の治し方
更新日:2018/12/6
「雨の前は頭が痛くなる」という話はよく聞く。その痛みにも個人差があり、なかなか他人に伝わりづらい。天気が悪くなるたびに憂鬱になるという人も少なくないだろう。
『まんがでわかる 天気痛の治し方』(佐藤 純/イースト・プレス)は「天気痛」研究の第一人者・佐藤純医師が、気圧変化による不調をズバッと解決する1冊だ。著者は日本で唯一の「天気痛外来」を開設し、天気によって体調を崩してしまう多くの人の悩みに寄り添ってくれる。本書はマンガによるストーリーをベースに構成されており、対処法も含めてとてもわかりやすく読み進めやすい作りとなっている。
本書から「天気痛」のチェックリストを一部紹介するので、当てはまるかどうか試してみてほしい。
□ 雨が降る前に、眠気やめまいなどを感じることがある。
□ 雨が降る前に、頭が痛くなることがある。
□「台風が来る」というニュースが、妙に気になる。
□ 気分の浮き沈みが、天気によって左右されることがある。
□ 春や梅雨の時期など、季節の変わり目に弱い。
□ 暑い季節にはのぼせやすく、寒い時期には冷えを感じやすい。
以上の項目に当てはまる人は天気の影響を受けやすい体質で、「天気痛」の可能性が高いという。
実は、天気痛の症状は頭痛やめまいだけではない。古傷の痛み、神経痛の悪化、肩こり・首痛、腰痛、耳の症状、眠気、気分の落ち込み、うつ・不安症など、驚くほど多岐にわたる。
では、こういった天気痛にはどう対処すればいいのか? その方法として、本書ではめまい薬や漢方薬などを使う方法も紹介しているが、ここでは、誰でもその場で簡単にできるマッサージを紹介したい。気圧を感じとるセンサーである耳とその周りを揉みほぐすことで内耳の血行が良くなり天気痛に効くという。
【くるくる耳マッサージ】
(1)両耳を軽くつまんで上に5秒引っぱる
(2)横に5秒引っぱる
(3)下に5秒引っぱる
(4)耳を横に引っぱりながらうしろに5回まわす
(5)両耳を包むように曲げて5秒キープ
(6)手のひらで耳全体を覆い、円を描くように後ろにゆっくり5回まわす
これを「症状が出る前」に行うのがポイント。可能なら、内耳の状態改善のために毎日朝・昼・晩1回ずつ、まずは2週間~1カ月続けてみよう。1回やるのに1分もかからず、体に負担もかからない。それくらい簡単なのにとても効果があるという。
天気痛に負けない体を作るためには、自律神経を整えたり食事内容に気をつけたりすることも有効だ。無理せずに自分のペースで挑戦することが長続きのコツである。
著者によると、将来的に天気痛の患者数は増える可能性があるという。それは世界的な気象変動のためだ。爆弾低気圧やゲリラ豪雨で体調を崩す人が多くなる。だが、正しい知識や対処法を知っていれば、天気痛は怖くない。また、それを知っていることで周りの人のこともサポートすることができる。原因不明の不調に悩んでいるという人も、天気の変動と体の変化の関係に目を向けてみると、解決策が見つかるかもしれない。
文=ジョセート