世界に通用する地頭力を!「そろばん式暗算」が子どもの脳を鍛えてくれる理由とは?
公開日:2018/12/17
子どもの習い事として、そろばんは相変わらず人気がある。そろばん学習の目的は、そろばんそのもののスキルを身につけることではなく、そろばんを通して子どもの学力を伸ばすことにシフトした。それでは、なぜそろばんによって学力が伸びるのだろうか。
『“そろばん式暗算”が子どもの右脳を鍛える! シンプルだけど一番効果のある「地頭力」の伸ばし方』(黄 俊豪/大和出版)によると、近年、世界中でそろばんが注目されているという。その理由は、そろばんが「子どもの地頭力」を伸ばすからだ。
そろばんと先述したが、正確には「そろばん式暗算」が注目を集めている。そろばんの珠を、頭の中のイメージで弾きながら暗算することだ。本書には、そろばん式暗算によって右脳が鍛えられ、ひいては地頭力アップにつながると書かれている。
そろばんに取り組むことで身に付く能力は、「集中力」「情報処理力」「注意力」の3つだ。集中して数字を聞き取り、聞いた情報の通りに珠を弾き、早くミスなく答えを出す。この短い工程の中で、3つの能力をフル活用しているのである。
読み書き計算(筆算など視覚を使ったもの)、そして論理を司る左脳に対し、右脳は直感、ひらめき、イメージ、記憶を司るといわれている。そろばん式暗算によって鍛えられるのは、右脳側なのだ。
今後社会で必要とされる能力は、機械に代わられにくい右脳側の能力だと言える。そろばん式暗算は、子どもの未来を明るくする強力なツールとなり得る。
さて、そろばん式暗算がもたらしてくれる力をさらに具体的にみてみよう。本書によると3つある。計算の先を読む習慣から身につく「先読み力」、読み上げの音声を集中して聞くことで身につく「リスニング力」、全体把握をして視野を広げ、要所を掴みながら計算する習慣から身につく「速読力」である。
これらにより、学校の勉強やテストにおいて、設問の中身が推測でき、先生の話を集中して聞いてスピーディーに理解でき、学習内容の全体像を素早く捉えられるようになる、というのだ。
科目でいうと、例えば国語では漢字、英語では単語を覚えやすくなり、社会と理科では全体把握が容易になることから暗記が得意になり、算数では様々な解法を思いつくようになる。計算が速くなることは、言わずもがな。
本書には、そろばん式暗算のステップアップ術まで詳細に掲載されている。子どもは、競うことが大好きだ。そろばん式暗算になじんできた子どもに、親は電卓で勝負を持ち掛けたり、子どもの暗算タイムを都度記録し“昨日の自分”と競争させたりして、地頭力をメキメキ伸ばしていける、としている。
文=ルートつつみ