紅葉シーズンが終わってもずっと楽しめる! 足元の落ち葉の名前が全てわかる図鑑

スポーツ・科学

公開日:2018/12/9

『落ち葉のずかん』(安田 守:写真・文、中川重年:監修/岩崎書店)

 これから冬にかけての季節、頭上だけでなく足元にも目を向けると、赤、黄、茶など、色づいた葉が地面いっぱいに広がっています。よく観察してみたら、大きいもの、小さいもの、丸い形やシャープな形、ハートに見える愛らしい形のもの…ひとえに落ち葉とは言っても、実にさまざまなものがあることがわかります。

 きれいな色や変わった形の落ち葉は、思わず拾いたくなりませんか? そして、「なんの葉っぱだろう? どんな木だろう?」と知りたくなりますよね。

 2018年11月27日に発売された『落ち葉のずかん』(安田 守:写真・文、中川重年:監修/岩崎書店)は、そんな興味を持った人にぴったりの1冊。1年に1度限りのこの季節をもっと楽しみたいあなたに、本書をご紹介します。

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 本書は、学校の校庭や公園など身近な環境で見られるものから希少なものまで、約260種の落ち葉と、葉を落とす樹木、また落ち葉にかかわって生きる生物について、その識別ポイントや生態をわかりやすく写真で解説しています。

 今年は暖冬の影響なのか、12月になっても紅葉が美しく感じられる地域も多いようです。これからちょっと遅めの紅葉狩りに出かける予定のある人や、通勤通学の途中に落ち葉をたくさん見かける方も多いのではないでしょうか。本書は、「図鑑編」と「観察編」に分かれていて、多種多様な落ち葉の様子やしくみといった情報収集のみならず、落ち葉散策の際のガイドブックとしても役に立ちます。

 通常ならば木の葉は高い枝先にありますが、落ち葉なら簡単に手に取り観察することができます。身近な場所で落ち葉を拾い、それを手掛かりに、葉の種類、樹木の特徴へと興味を広げていきましょう。すると、今まで個別に見えていた、木、生物、土などが一体感をもった環境として目の前に迫ってくることでしょう。

 葉が落ちるこの季節は、そんな感慨を味わうにはもってこいの季節なのではないでしょうか。家でも、そして屋外でも楽しむことができる1冊です。

作者プロフィール
◎写真・文:安田 守(やすだ・まもる)
1963年京都府生まれ。千葉大学大学院修了。自由の森学園中・高の理科教員として生物などを担当。同校を退職後、生きもの写真家として長野県を拠点に、身近な里山の昆虫など広く生物を撮影している。著書に『骨の学校』(共著、木魂社)、『うまれたよ!モンシロチョウ』『うまれたよ!アゲハ』『うまれたよ!アリジゴク』『うまれたよ!オトシブミ』『りんごって、どんなくだもの?』(岩崎書店)、『集めて楽しむ昆虫コレクション』(山と渓谷社)、『イモムシハンドブック』(文一総合出版)などがある。

◎監修:中川重年(なかがわ・しげとし)
1946年、広島市生まれ。前京都学園大学バイオ環境学部教授。神奈川県自然環境保全センター研究部専門研究員。専攻は、樹木の生態、広葉樹の立地と造林、森林バイオマス利用に関する研究。自然素材を利用した地域おこし、人と森林とのかかわりについての研究を行っている。著書に、『山渓ハンディ図鑑3-5樹に咲く花』(共著、山と渓谷社)、『日本の樹木 上・下』(小学館)、『検索入門 針葉樹』(保育社)などがある。

文=あおこ