最終回/森田哲矢(さらば青春の光)連載
公開日:2018/12/15
皆様、2ヶ月間のお休みすいませんでした。
既にネットニュースで見ていただいた方もおられるかもしれませんが、この休んでいた2ヶ月間で、このコラムに奇跡が起きました。
なんと、地球上で最も醜い読み物と言われていたこのコラムの書籍化が遂に決定致しました!!!
まさか本当にこんな日が来るとは……。
モハメド・アリがジョージ・フォアマンにKO勝利した『キンシャサの奇跡』や、アトランタオリンピックでサッカー日本代表がブラジル代表に勝利した『マイアミの奇跡』など、これまでに“奇跡”と呼ばれる出来事は沢山ありましたが、その中でも一番の奇跡が今回の『書籍化の奇跡』ではないでしょうか?
思い返せば約4年前、ネット上にひっそりと植えられたうんこの種。
その種が、4年の歳月をかけ、汚い芽を出し、醜い葉をつけ、悪臭漂う大輪のうんこを咲かせたのですから、これは奇跡以外の何者でもありません。
そして肝心の本のタイトルは、
『メンタル童貞ロックンロール』
“メンタル童貞”というあまり聞き馴染みのない言葉で人々の興味を引き、“ロックンロール”という万能の言い訳で、興味本位でこの本を買って読んだ人の怒りを鎮める、物凄く理に適ったタイトルになりました。
そして、単館系の映画館で上映されてそうなタイトルにすることで、後々の映画化もしっかりと視野に入れた身の程知らずも甚だしいタイトルに仕上がりました。
というわけで、書籍化に伴い、このコラムも今回が最終回となりました。
毎月こんな訳の分からないコラムを読んでくれていた方々には感謝しかありません。
「コラム毎月読んでます!」
と、言ってくれる人の中に、たまに女子がいたりする時は、
「ありがとうございます!」
と、言いながら物凄くいやらしい目で見させていただいていたのも、今となっては良い思い出です。
最終回ということで、このコラムを愛してくれた皆さんに、色々な回の書ききれなかった後日談をお伝えしようと思います。
まず、このコラムで最も反響をいただいたであろう第19回の『ヤリマン2万7千円事件』で、僕の財布から2万7千円をくすねた世紀の大泥棒女子大生ヤリマンのありさは、事件の後、大学の卒業旅行で行ったイタリアでスリに遭い、4万円を盗まれたらしいです。
しかも、イタリアのスリは、中々手荒なことをするらしく、思いっきりお腹を殴られて、うずくまっている隙に鞄ごと盗まれたらしいです。
肋骨何本かいかれたらしいです。
バチが当たったとしか言いようがありません。
そして、僕たちと行動を共にした、世紀のポンコツ推理大学生岸畑任三郎は、無事に一般企業に就職し、このコラムを読んでいたお笑い好きの同期の女子社員に、「あの岸畑ってオレやねん」という独特のアプローチをかまし、見事にフラれたらしいです。
そして、第31回の『童貞芸人達の修学旅行~大阪道頓堀編~』の後日談は、僕と一緒に小宮さんに人生初の風俗を奢ってもらった、2018年M-1グランプリ王者に輝いた霜降り明星のせいやのお話です。
せいやはあの時奢ってもらった風俗の待合室で、なぜか一人だけコンビニで買ったおにぎりを何個も食べていました。
プレイを済ませた後、反省会をする暇もなく、東京に帰らないといけなかった僕は、東京に帰ってからせいやに、
「人生初風俗どうやった?」
というLINEをしました。
するとせいやから、
「なんでか分からないんですが、途中でうんこ漏らしちゃいました!!」
という驚愕の返信がきました。
なんで? なんでそんなことになるん?
風俗ってそんなとこちゃうで?
ほんでそうなったのは絶対おにぎりのせいやん。
と、当時思ったのを覚えています。
この話は墓場まで持って行くつもりでしたが、M-1チャンピオンになって機嫌もええやろうし、このコラムぐらいやったら暴露してもまあ怒らんかなと思い、書かせていただきました。
あとは、第37回『水にまつわるエトセトラ』で、バイクさんのことを、何回もご飯に誘ってきたピアニストの女の子がいたので、エッチなことができると思ったバイクさんが、いざご飯に行ってみたら、ねずみ講の勧誘だったという話。
当時は僕が付き添いで行っていたので、バイクさんのねずみ講への入会を阻止し、ピアニストも諦めて帰っていきました。
しかし、そのピアニストから、
「今度仲間たちとバーベキューするんですが、バイクさんも来ませんか?」
という誘いが月1ぐらいであるみたいです。
その度にバイクさんは、バーベキューに行ってしまいそうになる衝動を、必死で抑えているらしいです。
彼が入会するのは時間の問題だと思われます。
最も狂った回だと言われた第20回『戒めパンティー』の後日談も壮絶でした。
キングオブコント2回戦落ちの自分を戒める為に行った“ブス専門風俗店”。
なぜか風俗嬢達の源氏名が全て往年のプロ野球選手の名前になっているという独特のお店で、“バース”と名乗る顔も体型も極楽とんぼの山本さんそっくりの42歳の風俗嬢と死闘を繰り広げました。
その数ヶ月後、自分達がやっているラジオの罰ゲームで、再びそのお店に行くことになった僕は、“オビスポ”という68歳の白髪の風俗嬢を指名し、これまた死闘を繰り広げました。
部屋に入るなり、
「膝が悪いのよ」
という聞いたことのない自己紹介から始まり、しわしわの手と、カラカラのお口でおちんちんに施しを受けましたが、僕のおちんちんは一向に大きくなりませんでした。
Mという性癖でなんとかするしかないと思った僕が、言葉責めをお願いすると、ものすごく大きな声で、
「イッけーーーー!!!」
というダッシュ!四駆郎ばりの言葉責めを喰らいました。
その後も中々イかない僕に対してオビスポは、
「イけ!イけ!イけ!イけ!イけ!イけ!」
と、競馬場の最後の直線の歓声を彷彿とさせるような言葉責めをひたすら浴びせてきました。
ダッシュ!四駆郎と競走馬の映像がはっきりと脳にこびりついたまま、なんとかイッたのを覚えています。
こうやって色々な出来事を振り返りながら書いていると、
「オレはこの4年間一体何をしていたんだ?」
という強烈な自己嫌悪が襲ってきます。
「芥川賞を獲ってチヤホヤされたい!」
と思ってずっとやってきましたが、何がどう間違っても芥川賞なんて獲れるはずもありませんし、もっと言えばこのコラムを書籍化に踏み切ったKADOKAWAも相当やばい会社なんじゃないかとすら思ってきました。
とはいえ、この本がミリオンセラーになって夢の印税生活という道もまだ諦めたくはありません。
莫大な印税の一部をメンタル童貞財団に寄付し、残ったお金でタワーマンションの最上階に住み、その部屋で女性達に土下座をしながら手コキを乞う。
そんな生活を夢見ている自分がいます。
しかし、自分で言うのもなんですが、はっきり言って、この本がミリオンセラーになるような国は終わりです。
皆様には、国を終わらせない程度にこの本を買っていただけたらなと思います。
いつかこの本が、ラーメン屋や散髪屋、歯医者さんの待合室などに当たり前のように置かれているのを想像しながら、今日も宅飲みに興じようと思います。
約4年間、このコラムを読んでいただいた方々、このコラムに登場してくれた多くの芸人さん、タレントさん、グラビアアイドル、ミュージシャン、風俗嬢、ヤリマンの方々、本当にありがとうございました。
印税が入ったらみんなで僕の家で同窓会をしましょう。
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★さらば青春の光 森田哲矢の初エッセイ集★
2019年1月21日発売決定!
『メンタル童貞ロックンロール』
“ヤリマンいい奴説”を信じるメンタル童貞の心の叫び!
「異性にモテない、仕事がうまくいかない、人間関係で悩んでいる、そんな人生に絶望してる方々、どうぞ下を見てください。あなたのずーーーっと下に僕がいます」(森田)
連載「煙だけでいい……あとはオレが火を起こす!」(ダ・ヴィンチニュース)をまとめた、さらば青春の光・森田の初エッセイが、いよいよ登場!
KADOKAWA 1500円(税別)