「(都合の)いい人」は信頼関係を築けない! いますぐ「いい人」をやめる習慣とは?
公開日:2018/12/13
「いい人だよね」とよく言われる。無茶なお願いをされても快く引き受けるし、自分の意見よりも他人の意見を尊重する。自分が損をしても、みんなが楽しそうならそれでいい――。だから、『「いい人」をやめる脳の習慣』(茂木健一郎/学研プラス)という本のタイトルを見たとき、ドキリとした。「いい人」って、やめたほうがいいの…?
著者は言う。「いい人は、都合のいい人。いい人を演じることで、周囲からある程度評価されたり、周囲との不要な衝突を避けることはできるかもしれません。でも、そうしてあなたがいい人になって我慢を続けていても、周囲から本当の意味での信頼関係を築くことはできません」――。確かにわたしは、人と深い関係性を築くことが苦手だ。いつも人の顔色ばかりうかがって、本音で話すことができない。しかし本心では、“本当の意味での信頼関係”を得たい。いい人をやめたい。そう思い、読み進めることにした。
本書では、脳科学の観点から、いい人をやめる習慣を紹介している。
■自分へ「無茶ぶり」をする
いい人をやめて自発的になるには、ポジティブに物事を考える習慣をつけることが近道。そのためには、普段から自分の行動にちょっとだけサプライズを起こして、自分に「無茶ぶり」してみるといいそうだ。
著者がイギリスのBBCの番組収録に行ったときのこと。海外のテレビやラジオ番組の収録は、日本のように事前の打ち合わせがない。収録現場に到着すると、「今日は君が生涯で買った初めてのクルマについてしゃべってもらうから」とだけ告げられ、いきなり本番が始まった。面食らった著者だが、「このプレッシャーを楽しまなくてどうするんだ!?」と自分に無茶ぶり。3万円のおんぼろマニュアル車でエンストばかりした話を披露すると、テンポよく番組が進行したという。さすが茂木さん!という話だが、わたしたちも日々、ちょっとした無茶ぶりをすることで、自発的になる練習を積むことができるのだろう。
■「イエスマン」ではなく、「Yes, and」
いい人に多いのは、なんでもハイハイ言ってしまう「イエスマン」。イエスマンは使い勝手の良さに感謝されることはあっても、尊敬を集めることはできないと著者は言う。であれば、「But~(でも~)」と反論すればいいかと言うと、それも相手の気分を害してしまうことになりかねない。そこで、「Yes, and」である。つまり、「なるほどそうですね、私はそれに加えて、~もいいと思う」という発言の仕方だ。相手の意見を認めた上で、「But(でも~)」ではなく、「And(それに加えて~)」と言うことで、相手の意見に付け加える形で自分独自の考えを表明することができる。人と話すときには、常にこの「Yes, and」を頭の中で呪文のように繰り返すといいかもしれない。
本書にはこの他にも、いい人をやめて、もっと楽に自由に生きるための方法が盛りだくさん。いい人になってしまう脳のメカニズムを知って、自分はどうすればいい人を脱却できるか、考えてみよう。
文=水野シンパシー
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