100円ライターのシールは剥がすべからず!? 【よく見かける表示の謎】連載第4回

暮らし

公開日:2018/12/12

『暮らしの中の表示 知らないと困る最新知識』(博学こだわり倶楽部:編/河出書房新社)

 街を歩くとき、スーパーで日用品を買うとき、さまざまな表示や記号が私たちの目に入ってくる。当たり前の光景としてふだんは見過ごしているけれど、よく観察してみると、「コレってどういう意味?」と気になることも多いはず。そんな疑問をひもとくために、豊富な知識がぎゅっと詰まった『暮らしの中の表示 知らないと困る最新知識』(博学こだわり倶楽部:編/河出書房新社)から、今知りたい情報や、人に教えてあげたくなる旬のネタをご紹介したい。

■100円ライターの欠陥で補償される賠償金は最高1億円。だがシールがないと…

 減少傾向にあるとはいえ、タバコを吸う人にとってコンビニなどで手軽に入手できる「100円ライター」は生活必需品だろう。このライターには細かい注意書きのようなシールが貼ってある。いちいち読まずに剥がしている人も多いだろうが、注意書きの横にあるアルファベット「S」「G」をデザインした「SGマーク」は利用者にとってとても大きな意味がある。これは、「Safety Goods(安全な製品)」の略で、一般財団法人製品安全協会が認定した製品にだけ付けられるマークだ。(本書69ページ)

【SGマーク制度】
SGマーク付属品を使用中に、その製品の欠陥によりケガをしたときなどに、その程度に応じて賠償する制度(SGマーク製品が故障したときにその補償をするものではない)。補償期間は購入日から3年間、賠償金は最高1億円。

 このSGマークは、子ども用ヘルメットや乳児用ベッド、圧力鍋や、歩行器、金属バットやゴルフクラブなど、福祉用品からスポーツグッズまで、欠陥による事故の可能性がある製品に対して、安全性を担保するためにマークが付けられているそうだ。製品の欠陥によって事故が発生しケガを負った場合、製品にSGマークが付いていればすぐに補償の手続を行うことができるが、製品にシールが付いていない場合は、その製品が本当に対象製品なのか調査が行われることになる。たかがちっぽけなシール、と剥がさないほうが賢明そうだ。

 本書では、生活のいたるところで目にする表示や記号、マークについて、「隠されている本当の意味」をわかりやすく説明してくれる。どれも実用性の高い豆知識なので、賢い消費者になるためにも、ぜひ本書を手に取っていただきたい。

文=田坂文