体の芯から温まる! この時期食べたい、簡単「煮物」レシピ【作ってみた】
公開日:2018/12/19
本格的に冷え込む日が増え、あたたかい料理が欲しくなるこれからの季節。ささっと作れる煮物やスープ、鍋料理のレパートリーを揃えておくと何かと重宝する。中でも煮物は、使う食材や味つけ次第で主菜にも副菜にもなり、日々の食生活に欠かせない。
先日、そんな煮物料理だけを集めた『大好評の煮物レシピ ベストセレクション』(宝島社)が登場した。本書は、人気料理サイトである「クックパッド」「DELISH KITCHEN」「レシピブログ」「macaroni」、そして「Instagram」で人気の煮物レシピを集めた、非常に豪華なレシピ本。
煮物というと、肉じゃがや筑前煮などを想像しがちだが、この本では煮込んで作る料理が総合的に「煮物」として掲載されている。そのためバリエーションもとても豊か。ぜひとも日々の食事に取り入れたい。そこで、本書の中から「食べたい!」「作りたい!」と気になったものを3つ、実際に作ってみた。
■「ささみでみぞれ煮 簡単&節約」(P.4)
1つめは、「ささみでみぞれ煮 簡単&節約」。一口大のそぎ切りにしたささみに塩コショウ、酒で下味をつけ、片栗粉をまぶして焼く。火が通ったら大根おろしと麺つゆを加えてひと煮たちさせ、器に盛る。あとは大根おろしとねぎをのせれば完成。
衣と大根おろしが麺つゆの甘辛い味をたっぷりと吸い、肉の旨みと合わさって、ヘルシーなのに食べごたえ抜群。淡泊なささみも、こうやって食べると物足りなさをまったく感じない。
■「カニカマIN白菜と豆腐のトロトロ旨煮」(P.18)
2つめは、「カニカマIN白菜と豆腐のトロトロ旨煮」。フライパンにごま油をひき、白菜の芯を炒めて透き通ってきたら葉も加える。白菜がしんなりしたら、水、鶏がらスープの素、塩、手でくずした豆腐、カニカマを加え、沸騰させる。上下を混ぜ合わせ、醤油で味を調えて水溶き片栗粉でとろみをつければ完成。
白菜とカニカマの出汁が溶け出たスープがあたたかい豆腐に絡み、食べると体の芯から温まっていくのが分かる。豆腐は、包丁で切るより手でくずす方が味の染み込みがいいとのこと。あればオイスターソースを加えると、よりコクが出ておいしい。
■「ブリと大根のピリ辛煮」(P.33)
最後は「ブリと大根のピリ辛煮」。フライパンにごま油をひき、塩をふったぶりを並べて中火で焼く。焼き色がついたらいったん取り出し、大根を炒める。酒、みりん、醤油、鶏がらスープの素、おろし生姜、おろしにんにく、豆板醤、水を加えて大根がやわらかくなるまで煮込み、ぶりを戻し入れて、ニラを加えてさっと煮る。あとは水溶き片栗粉でとろみをつければ完成。
見慣れたぶり大根も、中華風にアレンジすると一気に新しいメニューになる。とろっとしたピリ辛の餡が絡んだ大根、ふわっとやわらかいぶり、アクセントになっているニラと様々な味や食感が楽しめ、飽きを感じさせない一品に仕上がっていた。
「煮物」と一言で言っても、種類は様々。本書を眺めていると、「そうかこれも煮物なのか」と常日頃いかに煮物にお世話になっているかに気づく。そして味つけや食材をちょっと変えてみるだけで、新しい発見があったりする。煮物は、そういったチャレンジがしやすい料理でもある。
『大好評の煮物レシピ ベストセレクション』には、基本の煮物はもちろんのこと、アレンジのヒントがたくさん詰まっている。さすが人気レシピサイトから厳選したレシピだ。次は何をどんなふうに作ろうか、と見ているだけでもわくわくしてくる。
調理・文=つきのんキッチン