ランドセルを廊下に放りっぱなし…を解消するには? 知っておきたい「小学生のおかたづけ育」
公開日:2018/12/28
小学生の子どもをもつ親の“困ったあるある”の一つ、「かたづけができない」。特に親が“かたづけができる人”なら、なおのこと子どものだらしなさにイライラしてしまう。“おかたづけができる子ども”にするために、親は何ができるのだろうか。
『小学生のおかたづけ育 ~子どもも私もラクになる暮らしのヒント(OURHOME)』(Emi/大和書房)は、小学3年の男女の双子の子をもつ整理収納アドバイザーEmi氏による、「ちょうどいい」かたづけと暮らしの仕組みをまとめた本。おかたづけ関連の本は数あるが、本書は子どもたちと試行錯誤しながら一緒に見つけたかたづけ方法であるところが新しい。
たとえば、多くの親を悩ませるランドセル問題。わが子が元気に帰ってきたはいいが、玄関前や廊下、あるいはリビングのソファーにランドセルを放りっぱなしにしておいて、親が言うまでそのまま、あるいは言っても「あとで」。子どもが自発的にランドセルを定位置にかたづける方法はないものだろうか。
本書のかたづけにおける考え方の根幹には、「子どもが自分で気づき、工夫し、行動させること」がある。親が「かたづけなさい」と言って動いたとしても、それでは本書のタイトルにもなっている「おかたづけ育」をしたことにはならないのだ。
さて、ではランドセル問題を解消するには、どうしたらよいか。
本書がまず勧めているのは、子どもにインタビューすること。廊下やソファーにランドセルを放りっぱなしでは家族が困ることを伝え、子どもに「どうしたらいいと思う?」と問う。
Emi氏宅では、インタビューの結果、子どもたちの学校では放課後、校庭で遊ぶとき、人工芝の通称「緑マット」にランドセルを置いてOKというルールがあることがわかった。これをわが家でもやってみよう、ということにしたのだ。子ども2人分のランドセルがゆうに置ける大きめで緑色のラグ(学校と同じように「緑マット」と呼んでいる)をリビングの一角に設置し、ここだけにはランドセルを放りっぱなしにしてOKとした。子どもたちは寝るまでの間、自分のタイミングで明日の準備をして、ランドセルを定位置のラックに戻せばいい。
このルールは、大人の「ランドセルがいろんなところにほうりだされるのは困る!」と、子どもの「ついついほうりなげちゃう」のちょうどいい間のルール。
本書は、子どもを「かたづけ上手」にすることに終わらず、自分でルールを見つけられるようになる「おかたづけ育」がわかりやすいビジュアルでいくつも紹介されている。
ランドセルに始まり、机、引き出し、プリント類、衣服ほか、本書で掲載されている生活のあらゆる「おかたづけ育」を実践すれば、わが子がかたづけはもちろん、「暮らし」自体を工夫し、最適化する力を身につけられそうだ。
文=ルートつつみ