疲れを急速に回復する!? アスリートが実践している最強のリカバリー法とは
更新日:2019/1/7
なかなか疲れがとれないとき、あなたはどうしているだろうか? 忙しい現代人に向けて「疲労からの急速な回復」「最強のリカバリー」を実践するメソッドがまとめられた『ビジネスアスリートが実践する 最強のリカバリー術』(竹下雄真:著、本間龍介:監修/光文社)が刊行された。サッカー日本代表・吉田麻也選手(サウサンプトンFC)、野球日本代表・石川歩選手(千葉ロッテマリーンズ)など、トップアスリートたちが実践しているリカバリー術もわかりやすく解説。疲労の正体、疲労を生む食べ物、疲労から回復するためのカギを紹介している。
■慢性的な疲労を感じている人は7割
ストレス社会ともいわれる現代、毎日会社へ行き、業務、接待、飲み会、休日には家事や子どもの世話…疲労を感じない人なんているのだろうか。本書では、インターネット調査を行うマイボイスコム株式会社が実施したあるアンケート結果を紹介している。同社が2018年に10代から70代までの男女約1万人を対象にアンケートを実施した結果、慢性的な疲労を感じている人は全体の7割弱だという結果が出た。「疲労回復のためにすることは」という問いに対して、「寝る」と答えた人が66.9%、次いで「体を休める」と答えた人が41.4%。充分寝ても、体を休めても、慢性的な疲労がとれないというのだ。
また、このアンケートでは、「疲労回復のために飲むもの」を尋ねているが、その回答として、「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」と回答した人は19.7%。約5人にひとりが疲労回復を期待して、それらのドリンクを飲んでもなお、疲労はとれていないことがわかった。疲れというのは負債と同じで、どんどん溜まっていくものだ。その都度、返済していかなければ、心身ともに重大なダメージを受けかねない。
■疲労には3種類ある
本書によると、疲労は大きく分ければ「肉体的」「精神的」「神経的」の3種類だという。これら3つの疲労は単独で現れるのではなく、複合的に発生。終日、パソコンに向かって作業をしていれば、神経的な疲労にもなるし、運動不足により肉体的な疲労も起こる。社内で人間関係のストレスに悩むことがあれば、精神的な疲労も加わるというのだ。
少し前の日本、とりわけバブル期に向かう好景気の時代では、肉体的な疲労が圧倒的に多かった。しかし、インターネットやスマホが広く普及し、リストラ、成果主義、終身雇用制度の崩壊など、社会環境は変化して、人間の疲労の質も変わった。これまでにあった疲れをとる常識「寝れば疲れがとれる」「精のつくものを食べれば元気になる」程度では、疲労は解消されにくくなっているのだ。
■アスリートも実践しているリカバリー法
本書で紹介されている、しつこい疲れをとるためのリカバリー法を簡単に紹介していこう。まず「リカバリー」とは「疲労」と「回復」をスムーズに繰り返すことで、日ごろから疲労回復能力をあげておくために3つのステップで行う。リカバリーのファーストステップは「悪いものを入れない」ことだ。自分の食生活、つい続けてきた悪習慣など、できるところから見直す。つぎのステップは「体の毒を出す」すなわち「解毒」である。汗をかいたり、便秘改善に取り組んだりと、悪いものを排泄する習慣をつけていく。そして、3つ目のステップは「良いものを入れる」ことだ。どれを、どれくらい食べたら体調がよくなるのか、自分の感性で見極めて実践していく。本書では、疲れを生みやすい食べ物、代謝を促す食材、脳や体の健康を維持するためのオイルが具体的に紹介されている。
ずっと元気でたくましく生きていきたい人に、本書は強い味方となるだろう。どうすれば元気になるのか理論的に紹介されている。それを利用しない手はない。
文=なつめ