QR決済、結局どれがオトクなの? ポイント“3重取り”の仕組みも解説
公開日:2019/1/14
キャッシュレス化の流れが新たな局面を迎えている。ソフトバンク&ヤフーが仕掛ける「PayPay」の“100億円あげちゃうキャンペーン”がSNSやメディアで大きな話題となり、いよいよQR決済が身近なものになってきた。とはいえQR決済は、LINE、楽天、NTTドコモなどの大手IT企業をはじめ、各社のサービスが乱立しており、消費者としては「どれが便利なのか?」「どれがお得なのか?」とわかりづらい状況だ。本書『QR決済』(日経FinTech・日経クロストレンド・日経 xTECH:編)では、日経BPの専門記者たちが各社の戦略やサービスの強みを解説し、まさにQR決済の“今”がわかるようになっている。本稿では、消費者の目線から“お得”なサービスを紹介していく。
■“楽天経済圏”を拡大する 楽天ペイ
日ごろから「楽天市場」や「楽天カード」を使っているのなら、「楽天ペイ」は利用しやすいだろう。楽天ペイは、楽天のサービスに登録しているクレジットカード情報を使い、リアル店舗で決済ができる。楽天ペイとクレジットカードの両方でポイントが付くため、“2重取り”が可能だ(楽天ペイは200円につき1ポイント)。
さらに、不定期で特定の店舗ごとにキャンペーンが開催されているから、こちらを合わせれば“3重取り”になる。ただし、支払い元が楽天カードであることが参加条件のキャンペーンもあるため、その場合は注意が必要だ。すべてを楽天に揃えれば得をする仕組みになっている。
■“100億円”の次は何がくるのか? PayPay
後発ながらも、“100億円あげちゃうキャンペーン”で一気に知名度をあげた「PayPay」。通常時のポイント還元率は0.5%だが、先日のキャンペーン時には20%という大盤振る舞いだった。
さらに、ソフトバンクやY!mobileのユーザーへの優遇もあったから、今後もキャリア関連のキャンペーンが期待できるだろう。代金の支払い方法は、クレジットカードと銀行口座からのチャージに対応している。加盟店がまだまだ少ないのがネックだが、現在ソフトバンクの営業部隊が新規開拓に奔走しているという。
■常に高還元率! 割り勘にも使えるLINE Pay
LINEが運営する「LINE Pay」は、コミュニケーションサービスの特徴を生かし、割り勘などの個人間送金に力を入れている。気になる還元率は、月間の決済額に応じて0.5%~2%。さらに、2019年7月末まではコード決済に限り3%が上乗せされる(ただし、支払い方法は銀行口座などからのチャージのみのため、クレジットカードのポイントを獲得することはできない)。これに加えて、給料日後の約1週間、定期的に「Payトク」と呼ばれるキャンペーンが実施されており、さらなる還元率アップが行われることも。こまめに情報をチェックしておきたい。
QR決済は、導入費・手数料の少なさから中小の商店に歓迎されており、日本のキャッシュレス化を大きく進めるのではないかと期待されている。アプリを立ち上げQRコードを読み取る分、ユーザーにとってはひと手間かかるサービスだが、その代わり各社はポイント&キャンペーン攻勢でユーザーに“お得感”をアピールしている。「どれを使ったらいいかわからない!」と迷っている人は、まずは自分にとってオトクなサービスから試してみてはどうだろうか。
文=中川 凌