【小学生からできる“数学実験”】試行錯誤すれば、数学が楽しくなる!
公開日:2019/1/25
「数学実験」をやったことがあるだろうか?「実験」と聞くと、理科の実験のように、液体に何かを混ぜたり、熱を加えたりするイメージがあるかもしれない。ベテラン数学教師の永見利幸氏によれば、教科書で習う内容を少し違った角度からとらえ、試行錯誤を繰り返して学習していくこと。中学生や高校生が、学校の授業の中で、実際に手を動かし考えていくことを「数学実験」と呼ぶ。
ここでは、素数に関する「数学実験」を紹介しよう。
素数とは2 以上の自然数で1 と自分自身しか約数を持たない数。たとえば、6 は約数が1、2、3、6 なので、素数ではないが、5 は約数が1、5 だけなので、素数になる。 1 から10 まであげていくと、2、3、5、7 が素数である。ここで、素数の個数を調べると、非常に興味深いことがわかる。
1000 までの素数は168 個 → 出現率は16.8%
ここでオヤッと思った方もいるかもしれない。素数の出現率には不思議な性質があるのだ。
次の1 から1000 までの素数の一覧表をもとに、100 から1000 まで100 刻みで出現率を求めていこう。
次に横軸に範囲、縦軸に出現率をとって、グラフを作成してみよう。
きれいな曲線になる。この曲線は、素数の世界では大変重要な意味をもっている曲線なのだ。でたらめに出てきそうな素数も数学の法則に支配されているのにおどろく。
詳しくは紹介しないが、この素数の出現率は対数などを使って式で表わされる。素数一つをとっても調べ方ひとつでいろいろな世界がつながっている。
数学を学ぶとき、この学習が何のために必要で、どの分野と関係があるのかわからずに勉強をする中学生・高校生が多い。そうして、数学嫌いになってしまった人も多いのかもしれない。
しかし、「数学実験」を通して、ちょっと視点を変えたり、実験してみたりすると、新しい視点が見えてくることがある。単に公式を覚え、使い方を学ぶこととは比べ物にならないくらい、「大事な発想力」が身につくような気がしないだろうか?
1月19日に発売された『中学数学のさきどりが7日間でできる本』(KADOKAWA)は、小学生のうちから数学の基礎をしっかり学べる。30年にわたって中学生・高校生に数学を教えてきた永見利幸先生の監修のもと、ここで紹介したような「数学の面白さに気づける」「数学を好きになれる」ようなエッセンスが入っている。
小学生のお子さんがいたり、数学に苦手の意識があったり、中学数学をちょっと復習したいなと思っていたりする方に手に取ってほしい。