リスニングが聞き取れない本当の原因は? 英語学習の「残念な挫折パターン」を解決しよう

ビジネス

公開日:2019/2/4

『マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ』(StudyHacker ENGLISH COMPANY:著、ナナトエリ:作画/セブン&アイ出版)

 社会人の英語学習は、学び“直し”であるはずなのに、なにかとつまずいてしまうポイントがたくさんある。学生時代とは異なり、時間の確保やモチベーションの維持がむずかしい。それに加えて、何より“教師”となる存在がいないから、今自分に何が足りてないのか、次に何をすればいいのかが見えづらくなる。そのため、貴重な時間を費やしているのに、なぜだか思うような成果がでない…ということもあるだろう。

 もし、あなたがそんな悩みを持っているのなら、『マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ』(StudyHacker ENGLISH COMPANY:著、ナナトエリ:作画/セブン&アイ出版)を頼ってみてほしい。本書は、よくある英語の参考書ではなく、最適な学習法に特化した1冊だ。

■まず自分の“フェーズ”をチェックして、やるべきことを把握しよう

 英語の学習だけに限らないことだが、目標を達成するためには、まず“今の自分”の状態を正しく認識しなくてはならない。本書は「第二言語習得研究」の知見を基に、段階ごとに取り組むべき学習法を提示している。あなたは、今、どの“フェーズ”にいるだろうか? まずそのチェックをこの本で行うのもいいだろう。

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■リスニングが聞き取れない…その本当の原因は?

 たとえば、あなたが「リスニングが聞き取れない」という悩みを持っていたとする。果たして、それは繰り返し英語を耳にしていけば解決できるのだろうか。答えは、残念ながらNOである。

 マンガパートの主人公・ユウジの「聞き取れない」原因は、英文の理解ではなく、その前の段階――音を単語として認識するプロセスにあった。さきほどの「英語力マップ」に照らし合わせれば、ユウジは、フェーズ2「すばやく読める」は達成しているものの、フェーズ3「音声知覚ができている」はできていないということになる。それがわかれば、やるべきことは明確になるのだ。

 本書では、このフェーズで悩んでいる学習者に対して、音声変化のルールを知ることを推奨している。ネイティブは、自分が話しやすくするために音を落としたり、くっつけたりしながら発音する。だから、ネイティブが実際に行う発音は、私たちが知識として持っている単語の発音とは微妙に異なり、聞き取ることがむずかしい。

 そこで、英語の音声変化のルールを理解し、その発音練習を繰り返すことが必要になる。ただ漫然と聞いて慣れるのではなく、ネイティブに近い感覚を知り身に着けることがリスニング習得への近道だ。

 本書は、あなたの英語学習の“背骨”になる本である。本書を通じて、学ぶときに進むべき道を確かなものにすれば、あとはそれに基づいて学習教材を選んでいけばよい。忙しい毎日、その貴重な時間を使って勉強するのなら、「最速最短」でやるしかないだろう。

文=中川 凌