ゆるだらでOK! 書き込んで見返すだけの“スマホメモ術”とは?
公開日:2019/1/30
仕事やプライベートなど、あらゆる場面で役立つメモ。昨今は、多くの人々が利用しているスマホでも手軽に何かを書き込める時代となりました。しかし、どのように活かせばよいのか。そのヒントを教えてくれるのが、元・博報堂のトッププレゼンターによる書籍『スマホメモ 仕事と人生の質を上げるすごいメモ術』(須藤亮/CCCメディアハウス)です。
◎義務感不要の“ゆるだら”なスマホメモ術
本書がおススメするスマホメモ術のポイントは、ズバリ「ゆるだら」です。言葉の響きどおりに、ゆるゆるだらだらとメモするだけでOK。トイレや寝床など、場所も問いません。
メモを取ろうと意気込み過ぎると、次第に作業自体の義務感に駆られて嫌気が差すのもありがちですが、堅苦しく考える必要はありません。著者は「人間の心の健康はインプットとアウトプットのバランス」で成り立っているといいますが、思い浮かんだものを「自分のためにアウトプット」するだけです。
また、スマホメモにはすぐにメモが取れる、書き込んだ内容を「いつでもリマインド」できるという利点もあります。どこへ行くにも片時もスマホを離さないという人ならばそれこそ、ピッタリなメモ術といえそうです。
◎自分の思いをプラスして書き込んでおく
本書が想定しているのは、iOSの純正メモアプリです。しかしながら、類似アプリでも似た環境を再現することは可能です。
フォルダやカテゴリ分けができるアプリならば、初めに内容ごとに格納する場所を作っておくのが便利。大まかに「仕事」や「家庭」などと振り分けておくだけでもよいのですが、さらに業務の種類や相手先などで細かく分類するのもOKです。自分があとあと、情報を引き出しやすいように名前を付けましょう。
準備ができたらあとは書き込むのみですが、内容は極論をいえば「何でもいい」というのが答え。ただ、ニュースなどは事実のみではなく、できれば自分が「どう思ったか」も書き込んでおくといいでしょう。
著者によれば「『自分の意見を書こう』と意識するよりは、その時々に浮かんだ考えを脳から引き出す」ということが大切。また、単純に「いい/悪い」を書き込むだけではなく、メモに慣れてきたら「~だからいい」「~だから嫌い」といったように理由を掘り下げられるよう意識してみましょう。
◎過去のメモを見返すことで新たな発見につながる可能性も
メモが溜まってきたら、今度は「見返す」ということを習慣付けるようにするのがベターです。著者の経験則では見返すことで「脳が活性化される確率が高くなる」というメリットがあり、さらに、過去のメモを見返すという作業そのものは「現在の問題意識と擦り合わせをしているということ」でもあると述べます。
見返したものに◯印を付けたり、重要の「重」など自分なりに特に目立つメモをハイライトにしたりするのも一つの手段。必要であれば、意味が曖昧であったり表現が上手くできていなかったりした部分を上書きするのも「自分の思いや気づきをいかに正確に表現できるかのいい訓練」になるといいます。
また、過去のメモが自分の今抱える課題や仕事へと結びつく瞬間もあり、一見するとジャンルの異なる話題であっても「あっ、この考えは、今のこれに“まんま”生かせるんじゃないか」と新たな発見につながる可能性もあります。
最後に、本書の面白いところはスマホメモがいずれ「人工知能につながる」と言及している部分です。AIが人間の仕事を奪うという話もありますが、技術革新の波は避けられそうになく、どう上手く付き合っていくかは常々議論されている話題でもあります。シンギュラリティが叫ばれる今、一日でも早くスマホメモの習慣を身に付けておくことはきたるべき未来に向けて必要なのかもしれません。
文=青山悠