40代を迎えても自分らしくありのままに。パリジェンヌに学ぶ“アラフォーの生き方”
更新日:2019/2/9
人は誰でも、年を重ねる。それは、ごく当たり前のことだ。しかし、近年の日本では、そんな自然の摂理が受け入れられていないと感じられることが多い。
例えば、年齢を重ねた40代前後の芸能人には「劣化」という厳しい言葉が向けられ、私たち一般人もアラフォー世代になると、「お姉さん」ではなく「おばさん」と呼ばれるようになる。こうした現状があるため、アラフォー女性の中には「もう若くないから…」と思い、いつの間にか年齢を自虐のネタにしてしまっている方もいるのではないだろうか。
しかし、年を重ねるということはその分、自分がアップデートされ、魅力的になっていくということ。アラフォー世代の今こそ “楽しく年齢を重ねる方法”を『大人パリジェンヌStories おしゃれと恋と日常と』(米澤よう子/光文社)で発見してみてほしい。
著者である米澤さんは、アラフォーでフランスに渡ったとき、同世代のパリジェンヌが加齢を引け目に感じず、年齢を活かしたファッションやメイクを楽しんでいることに感銘を受けた。日本ではアンチエイジングにスポットが当たりやすいが、パリジェンヌは年齢をごまかそうとせず、ありのままの自分で人生を謳歌しているのだ。
等身大の自分を思いっきり楽しむフランスのマダムたちは、日本人女性が抱いている「加齢」へのネガティブなイメージを変えてくれる。
■真似したいヒントがたくさん! 自分らしく生き生きとしたパリジェンヌファッション
「若い頃に似合っていた洋服がしっくりこなくなり、どんな服を購入したらいいのか分からない」――そんな風に“おしゃれ迷子”に陥ってしまっているアラフォー女性は多いはず。こうした時は、パリジェンヌの洋服に対する価値観を参考にしてみてほしい。
人生の半ばに差し掛かる40代の頃は、生き生きとしながらも自分のスタイルを確立していく時期。トレンドアイテムに身を包んでいた20代や30代の頃とは違い、フェミニン路線にチェンジしつつ、自分に合ったアイテムを選んでみよう。
洋服を購入するときは「今、着るものを買う」をモットーに。パリジェンヌは洋服をストックすることを「もったいなくてもどかしい」と思う。そのため、洋服を寝かせることはしない。最速だと、購入した日に即着ることもあるほど、ファッションに対し、現在進行形な考え方を持っている。
日本人女子は「いつか着たい」と思いながら洋服を購入し、タンスの肥やしにしてしまうことも多いのでは? 未来形の考えを捨て、今の自分をときめかせてくれる洋服を購入していこう。
■パリジェンヌの“食”にはキレイの秘密が!
年齢を重ねていくと、見た目だけでなく体の内側もキレイに保っていきたくなるが、内臓の状態を自分でチェックすることは難しい。しかし、パリジェンヌの食事を参考にして普段の食生活を見直していけば、健康的で美しい内臓を保つことができる。
日本では、健康に対する意識が高い人ほどサプリメントやドリンクなどで体をケアしている。しかし、パリジェンヌは水と普段口にする食品に気を配ることで内臓をケアし、美しさを保っているのだ。
例えば、フレンチのおかずには砂糖が使われず、パリジェンヌはデザートで糖分を補給しているというのも、日本人からしてみればユニークな点。口にする水も、各部位を労われるよう、こだわっている。
栄養バランスを考慮しながらも、全身を上手く働かせられるような食品を選ぶパリジェンヌ。彼女たちの食生活は、美活の参考にもなるはずだ。
■「ロンリーになり、オンリーを知る」心もパリジェンヌになろう
最近、日本では「おひとりさま」を楽しむ人が増えてきており、周囲からも受け入れられやすくなってきている。だが、時には肩身が狭い思いをしてしまったり、幸せそうなカップルや友人同士を見かけると、物寂しい気持ちになってしまったりすることもあるのではないだろうか。そうした時こそ思い出してみてほしいのが、本書内に記されている「ロンリーになり、オンリーを知る」という言葉だ。
ひとりでカフェなどへ繰り出した時はつい、周囲に人がいない席や人目に付きにくいスペースを選んでしまいがち。だが、著者の米澤さんは群衆や喧騒のある中でこそ、自我を知れるのだと語っている。
この言葉を受け、筆者も行きつけのカフェに行き、あえて賑やかな席に身を置いて本稿を執筆してみた。すると、人の声があるからこそ、ロンリーな気持ちを抱えずに自分の声と向き合いながら執筆に没頭することができた。
シーンと静まり返った場所ではなく、あえて賑やかなところでオンリーな時間を作り、自分を見つめ直す。それはおひとりさま生活をより楽しくするためだけでなく、人生を豊かなものにしていくためにも必要なことなのかもしれない。
年齢をデメリットに捉えず、武器として無理やり活かそうともしないパリジェンヌの生き方は“ありのままの自分で生きることの大切さ”を教えてくれる。
「大人女子」という言葉にすがらず、「大人女性」として人生が謳歌できるようになれば、年齢を重ねることも待ち遠しくなるはずだ。
文=古川諭香