優柔不断な人でも確実にスピードが上がる!? 「決断力」を引き寄せる方法
公開日:2019/2/20
人は1日に2万回、何かしらの「決断」をしていると言われている。朝起きたら、先に顔を洗うか、それとも歯を磨くか。朝食は何を食べるか。女性であれば、どのパンプスを履いて出かけるか。男性であれば、どんな模様のネクタイをつけていくか――枚挙にいとまがないことはもうお分かりだろう。
この「何かを決める」という行為は、人によって得手不得手がはっきりと分かれるものかもしれない。すばやく適切な決断をすることができる人もいれば、決断は速いが失敗が多いという人もいる。あるいは、ゆっくり時間をかけるけれども適切な決断ができる人もいれば、時間をかけて何も決められない人もいるだろう。
『なかなか自分で決められない人のための「決める」技術』(柳生雄寛/ディスカヴァー・トゥエンティワン)には、決められない理由やすばやく適切な決断をするコツ、決めたことを継続するコツなど、「決める」ことが苦手だという意識をもつ人が最も知りたい情報が満載だ。
■「うまくいかなかったら、どうしよう?」だと決まらない
物事をなかなか決められない人を見ていると、「うまくいかなかったら、どうしよう?」と失敗した場合のことを考えてしまい、行動に移せていない人が多いようだ。たとえば、好きな人に愛の告白をしようとするとき、「フラれてしまったらどうしよう?」などと考えてしまうとなかなか一歩を踏み出せない。
だが、「失敗したら、どうしよう?」と不安に思って心配すること自体が無意味に近いと本書は説く。失敗したときのことを恐れるよりも、「どうすれば、うまくいくか?」に考えを巡らせるほうがよい。すぐに決断できる人の多くは、考えても仕方のないことは考えていないのである。
■「決める」と「行動する」はセットで考える
本書によれば、「決める」ことと「決めたと“思っている”」ことの区別がついていない人が多いという。これはいったいどういうことか。
たとえば、翌日までに完成させなければならない企画書があるのに、「明日の朝4時に起きてやろう」と決めて寝てしまい、結局翌朝4時には起きられずに焦った…という経験をお持ちの方も中にはいらっしゃるかもしれない。
本書では、この「明日の朝起きてからやろう」が決めているようで、実は何も決めていない状態の典型として紹介されている。思ったことを実行に移して初めて「決めた」と言えるのだ。「思う」ことと「決める」ことの違いをはっきりさせてこそ、決断を行動に移せる積極的な人間になれるのである。
■決断できる人はときどきやり方を見直す
物事を決められない人は、一度決めたことは徹底してその通り続けなければならないと思い込んでいることが往々にしてあるそうだ。しかし、その必要はないだろう。状況や環境、あるいは自分の都合が変われば、自分で一度はやると決めたことでも、それに応じてやりかたを多少なりとも見直す必要がある。
私生活や仕事のなかには習慣化していることがたくさんあるけれども、定期的に見直す、つまり決め直す機会を設けることで、より効率的に働くことができるようになったり、人生のグレードを上げたりできるようになるだろう。
人生は「決める」ことで満ち溢れている。勤め先の方針を決めるのはその会社の経営者かもしれないが、人生の方針を決めるのはほかでもない自分自身だ。本書を通じて“決める力”を磨き、自分の人生を経営する「プロ」になってはいかがだろうか。
文=ムラカミ ハヤト