アナタの志望校はどんな大学? 擬人化でよくわかる大学の「特徴」
公開日:2019/2/26
受験シーズンも終盤を迎え、受験生はそれぞれにベストを尽くしていることだろう。試験が終わったという人ならば、志望大学への入学に思いを馳せているかもしれない。だが自分の志望する大学が一体どんなところなのか、正しく理解しているだろうか。「勉強ばかりでそんな余裕は……」という人には『擬人化マンガ 大学あるあるこれくしょん』(ネピア/ぴあ)など、いかがだろうか。漫画なので気軽に読めるし、大学を擬人化することで特徴も分かりやすくなっており、長い受験勉強で疲れた頭には最適だ。
最初に指摘しておくが、本書に登場する大学は首都圏や関西などを中心とする有名大学に限定される。いわゆる「東京六大学」や「関関同立」といった全国でもメジャーであろう大学だ。まあ有名であるがゆえに志望者数も多いので、割と広範な受験生の参考にはなりそうである。
とりあえず「日本の大学といえば?」という質問に対し、多くの人が「東京大学(東大)」と答えるのではないだろうか。東大といえば日本の最高峰に位置する大学であり、本郷キャンパスの「赤門」は受験生にとって憧れの存在である。「赤門」は非常に知名度が高いが、実は他にも「門」があることをご存じだろうか。例えば専修大学には「黒門」が存在し、大学の異名にもなっているという。そして中央大学(中央)にも「白門」があるが、これは戦後になって作られたもので呼称自体は昭和初期から存在し、由来は「校章が白い」「法の潔白を表す」といったもののようだ。法学部の強い中央らしいといえるのでは。
勉学以外に、スポーツで進学先を選ぶケースもあるだろう。大学間で行なわれる大会では「東京六大学野球」のリーグ戦は特に著名であり、各大学は多くのプロ野球選手を輩出している。東京六大学の中で、本書では東大は各方面に強くいつも余裕の笑みをたたえているが、スポーツに限っては事情が異なる。東大にはスポーツ推薦などがないため、力のある選手が集まりにくいからだ。ゆえに東大野球部は敗戦を積み重ね、2015年に94連敗まで記録を伸ばしてしまった。リーグ最下位が指定席のようになっている東大の悲哀が、漫画からも伝わってくる……。
スポーツでいえば、箱根駅伝も大学を決める重要な選択肢となるだろう。私は現在でこそ年始となれば朝の7時には起きて箱根駅伝をリアルタイム視聴するほど好きだが、大学入学まではさほど興味はなかった。観戦に力が入るのは、やはり母校が出場しているからだ。もちろんスポーツに限らず、自分の母校出身の有名人であれば自然に応援したくなるし、思い入れも強くなるだろう。大学選びは自身の将来を大きく左右する重要な選択であると同時に、入学後には多くの楽しみも与えてくれる。志望校合格はゴールではない。その大学ならではの学びかたや遊びかたを、ぜひ満喫してもらいたい。
文=木谷誠