堀江貴文、DMM創業者… “現代の革命家”4人がおくる、新時代の必須スキルとは?

ビジネス

公開日:2019/2/28

『僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない 新時代の必須スキルの育み方(SB新書)』(藤原和博/SBクリエイティブ)

 子供を持つ親ならば、我が子に「こうなってほしい」という願いがある一方で、その通りに育ってくれることのむずかしさを感じているだろう。そもそも、親の望みと子供の幸せは違うし、子供は“勝手に育つ”という側面もある。親として何をすればいいのか…と途方に暮れている方もいるはずだ。

 本稿で紹介する『僕たちは14歳までに何を学んだか 学校では教えてくれない 新時代の必須スキルの育み方(SB新書)』(藤原和博/SBクリエイティブ)は、一般的な“子育て本”や“教育本”とはずいぶん趣が異なる。

 著者は、リクルート出身の教育改革実践家・藤原和博氏。本書は、時代の寵児たる4人の革命家(堀江貴文氏、キングコング西野亮廣氏、SHOWROOMの前田祐二氏、DMMの亀山敬司氏)にインタビューを行い、彼らが14歳までにどう遊び、学び、育ってきたのかを徹底的に深掘りする。

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■「ない」ものは、自分で作る――西野亮廣

 西野さんは、上に5歳上の兄と2歳上の姉、下に6歳下の弟がいる4人兄弟だったそう。真ん中の子にありがちな話だが、西野さんは上のふたりに比べて洋服や新しいモノを買ってもらう機会は少なく、いつも“お下がり”だったのだとか。

 そこで、彼は、“自分で作る”ことを始める。自分で“お下がり”の自転車を改造し、いかにかっこよく見せるかを追求した。それはだんだんと本格化していき、高校生のころには、廃材でイチから自転車を作るようになっていたという。家の教育方針は、基本的に“放牧”で、ほとんど怒られることもなかったようだ。そして、学校では皆を笑わせる人気者。小2でお笑い芸人を目指した。

■ぶれない戦略家――前田祐二

 一方、ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」を立ち上げた前田祐二さんは、幼少期から壮絶な体験をしている。父親を3歳で、母親を8歳で亡くし、小6で食い扶持を稼ぐために街頭で弾き語りを始める。そこでの体験に、彼の“戦略家”としての一面が垣間見える。ある日、「赤いスイートピー」を歌っていた彼は、それを聴いた40代の女性から(同じ松田聖子の)「白いパラソルって知ってる?」と訊かれる。そこで彼は迷ってから、「僕、知らないので今は歌えません」「でも、来週水曜日の同じ時間に、もう一度この場所にきてもらっていいですか?」と答えた。次の週、「白いパラソル」を聴きにきた彼女は、その1曲に1万円を支払ったという。

 当然、この本には子育ての“正解”は書かれていない。それでも、4者4様の人生を振り返って著者が指摘するのは、全員が“根拠のない自信”を持っていることだ。各分野で革命を起こす彼らは、一歩踏み出す時に“なんとかなる”という感覚がある。そして、それは誰かから無条件に愛された経験から来ているのではないか――著者はそう語る。幼いころに両親を亡くした前田さんも、生前の母親が懸命に自分を看病する姿をよく覚えているという。結局、すべての基本には“愛”があるのかもしれない。

文=中川 凌