“今”とたたかう私たちへ 「辻村深月」特集番外編
更新日:2019/3/7
編集I
のっけから私事で恐縮なのですが、何を隠そうわたくし辻村さんの大ファンなんです!
中学校の図書館で辻村作品と出会い、高校時代はなけなしの貯金をはたいて文庫本を買い、大学生になったら雑誌のインタビューを片っ端から読み漁り……。
読書に夢中になる喜びや、言葉の美しさとそのパワー、物語がときに現実の自分を救ってくれることなど、10代の私は辻村作品にたくさんのことを教えていただきました。
辻村さんの作品と出会っていなければ、いま編集者としてここにいない!と言い切れるぐらい、大きな影響を与えてくださった作家さんなのです。
いつかどこかでお会いしてみたいと思ってはいたのですが、まさか特集というかたちでこんなに早く夢が叶ってしまうとは。中学生のときの自分に教えたら、転げまわって喜ぶに違いない……!
今回の特集では、デビュー15周年というこのタイミングで、最新刊『傲慢と善良』(朝日新聞出版)を切り口に、辻村さんの“今”に迫ります。
今までの道のりを振り返りつつ、直木賞や本屋大賞、ご自身の結婚出産を経た今、辻村さんにはどのような景色が見えているのか。8Pに及ぶロングインタビューでたっぷりとお届けします!
インタビューでお伺いした辻村さんのお話はどれも優しくあたたかく、それでいて多くの人がうまく言語化できないであろう曖昧な気持ちを鋭く言い表してくださり、まさに辻村さんの作品そのもの!でした。
“今”を懸命に生きる私たちにとって、辻村さんの作品や言葉は、時にエールになり、ヒントになり、心の支えになります。
そんな作品の根底にあるメッセ―ジはもちろん、辻村さんご自身の魅力もお伝えできる特集になっていればなあと思います。
常に小説家としての最高到達地点を更新しつづける、パワーみなぎる小説家・辻村深月さんの世界に、ぜひ触れてみてください!