パンダブームの元祖? あの将軍様が象を輸入したって本当!? 【クイズで確かめる、できる大人のたしなみ】第3問
公開日:2019/3/13
■答えは、(B)8代将軍・徳川吉宗が象を輸入した!
8代将軍・徳川吉宗は享保の改革などを実践し、幕府中興の祖と呼ばれた人物。西洋の新しい知識にも強い関心を示し、それまで禁止されていた洋書の輸入を許可していた。先代将軍の時代にオランダから献上された『動物図鑑』はことのほかお気に入りで、この本に触発されて、馬の品種改良を試みたり、孔雀やラクダなどの珍しい動物も輸入したりしていた。その目玉が「象」だったというわけである。
1728(享保13)年にベトナムから長崎港に着いた象は、京都を経て、東海道を歩き続けてやっとのことで翌年江戸に到着する。吉宗も江戸城でこの象を見学した。ベトナムからの象使いや通訳官らを引き連れた“象様ご一行”は、沿道のあちこちで大変なフィーバーを呼んだことだろう。現に、多くの記録や絵図が残っている。庶民向けには、象を描いたすごろくや錦絵なども流行したそうだ。この大騒動はいわば、現代における上野のパンダブームの元祖かもしれない。
このように本書では、思い違いしがちな「大人の常識」をアップデートし、トピックごとに楽しみながら学び直しすることができる。実際にページを開いて、「雑談のネタに困らない」、あるいは「教養豊かだと尊敬される」大人をこっそり目指してみよう。
文=田坂文