チーズケーキの概念が覆る!? 季節のフルーツやスパイス、乳製品不使用…絶品チーズケーキレシピ

食・料理

更新日:2019/4/5

『あたらしいチーズケーキ はじめて出会う味、配合、素材使い』(家の光協会)

 イチゴのショートケーキにチョコレートケーキ、モンブランなどさまざまなケーキがあるが、老若男女みんなに人気があるのがチーズケーキだろう。甘すぎず、お酒と一緒に楽しむこともできるチーズケーキは、濃厚なチーズの旨みと爽やかな酸味が渾然一体となった究極のデザートともいえる。そんなチーズケーキの常識を覆すレシピを紹介しているのが『あたらしいチーズケーキ はじめて出会う味、配合、素材使い』(家の光協会)だ。

 一般的なチーズケーキのレシピでは、クリームチーズ、卵、砂糖、生クリームなどが使用されるが、本書では今までに出会ったことがないようなチーズケーキが紹介されている。サワークリームやチョコレートを使用したもの、スパイスやフルーツをたっぷりと使用したものなど、味の想像がつかないものもたくさんある。私がイメージするチーズケーキは、真っ白で口の中に入れるとすぐに溶けてしまうレアチーズケーキだ。小さい頃に買ってもらったお菓子の本を見て自分で作ったこともある。

 本書をパラパラとめくっていてまず目に留まったのが、雪のように真っ白で美しい「バニラヨーグルトチーズケーキ」だ。底にはふわふわに焼けたスポンジケーキを敷き、上からチーズケーキの生地を流し入れて冷蔵庫で冷やし固める。サワークリームやヨーグルト、多めのレモン果汁が入ることで、より爽やかなチーズケーキになるのだ。チーズ生地は混ぜ合わせるだけととても簡単なので、初心者でも失敗なく作れるのではないだろうか。

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 料理家の中川たまさんが紹介しているのはフレッシュフルーツを使ったチーズケーキだ。「ネクタリンのアルザスチーズケーキ」「プラムとアールグレイのクランブルチーズケーキ」「メロンのティラミス」など、名前を聞くだけでもぜひ食べてみたいと思うラインナップ。他にも、みかんをたっぷりと使用するもの、パッションフルーツをカップにするものなど、色あざやかなチーズケーキの数々にきっと感動するはずだ。彼女がケーキに使用するのは上白糖ではなくやさしい甘さが特徴のきび砂糖。フルーツの自然な甘みと酸味を打ち消さないための食材選びにも脱帽だ。

 また、人気カフェのパティシエ鶴見 昂氏が提案するのはハーブやスパイスを使ったチーズケーキ。チーズケーキは子どもも大好きなお菓子だが、大人が楽しむチーズケーキレシピにとても興味を惹かれる。中でも目を奪われたのがフレッシュミントを使ったチーズケーキだ。温めた生クリームにフレッシュミントを加えて煮出し、ミントの風味をしっかりと生クリームに移すため、ほのかにミントが香る絶品のチーズケーキが焼き上がる。ミント特有の苦みも、葉だけを摘んで使うと気にならないという。なかなかお目にかかれないチーズケーキだけに、ぜひ自分で作ってみようと思う。カルダモンやシナモン、トンカ豆などを使用するチーズケーキも登場し、チーズケーキの自由さを感じることができる。

 私は数年前に玄米菜食をしていた時期があったが、乳製品はもってのほかで、チーズや生クリームを使ったお菓子が食べられなかったのを覚えている。本書にはなんと、乳製品を使わないチーズケーキも紹介されているので驚いた。マクロビオティックの考え方をもとにお菓子を作っている今井ようこさんのレシピでは、チーズの代わりに豆腐やカシューナッツ、ココナッツミルクを使用した「チーズケーキ風」のレシピが紹介してある。チーズを使わないとコクが出ないのでは?と心配になるかもしれないが、酒粕や白味噌、豆乳ヨーグルトなどの発酵食品のコクをうまく生かしてある。見た目も美しく、まさにチーズケーキ! 実際に作ってみてその美味しさを堪能したいと切に思う。

 本書ではケーキに合う飲みものも紹介してあり、コーヒーだけでなくワインやシードルなども好相性だという。本書を読めば、チーズケーキの新たな魅力を発見すること間違いなしだろう。

文=トキタリコ