DaiGo流、人生を最大化させる片付け「モノが勝手に減っていく7つの質問」とは?
更新日:2019/3/26
新年度は、晴れやかな気持ちで迎えたい。そのためにしておきたいのは身の回りの整理整頓。「やりたいのは山々だが、片付けはどうも苦手…」という方は、メンタリスト・Daigo流の片付け本に頼ってみてはいかがだろうか。スッキリとした気持ちで新年度を迎えたい人はぜひ試してみてほしい。
片づけとはモノの整理整頓だけではない。「思考を整え、人生を最大化」すること。メンタリストDaiGo氏の『人生を思い通りに操る 片づけの心理法則』(学研プラス)は、まったく新しい思考で片づけに挑む一冊だ。
■モノが勝手に減っていく7つの質問
DaiGo氏は、本書で片づけの目的をこのように定義している。
“片づけ=目標に向かって、自分のリソースを集中できる環境をつくること”
片づけの目的とは、部屋をきれいにすることなどではなく、限りある時間やお金、体力や注意力といった自分の「リソース」を、人生において達成したい目標に集中させること…。こうしたユニークな定義により、読者が片づけの価値観を根本的に覆される快感こそが、この本のヒットの秘密なのである。
なかでもとくに典型的でユニークなDaiGo式メソッドが、この「7つの質問」だ。
質問1「いったん捨てたとして、これを買い直すか?」(買い直し思考)
質問2「長期旅行に持っていきたいモノか?」(トラベラー思考)
質問3「誰かが買ってくれるとしたら売るか?」(ネットオークション思考)
質問4「あの日に戻れたとして、やはりこれを買うか?」(タイムトラベル思考)
質問5「お金が無限にあったら、本当にこれを買うか?」(大富豪思考)
質問6「これを何回我慢すれば、ほしいモノが買えるか?」(ほしいモノ変換思考)
質問7「3年、5年、10年経っても必要か?」(ロングスパン思考)
もしも捨てるのが惜しい、と迷ったとき、これらの質問を自問自答してほしい。すべて覚えておく必要はない。自分の感覚に合いそうな質問を3つ覚えておけばよい。この質問のフィルターを通過したモノこそ、本当に自分に必要なモノなのだ。
では、この内容を一つひとつ、見ていこう。
■質問1「いったん捨てたとして、これを買い直すか?」(買い直し思考)
時間をかけたコレクションを捨てようかと迷った場合に有効な考え方だ。それらを全部捨てたとして、「もう一度、買い直すだろうか?」と自問自答してみよう。
たとえば服であふれるクローゼットを前にしたとき。あなたはどの服を「買い直してもいい」と思うだろうか。きっと買い直す価値がないと思う服は、少なくないはずだ。
心理学的には、「すでに捨ててしまった」という前提があると、「捨てたくない」という判断を「抑制する」ことができるのだという。
■質問2「長期旅行に持っていきたいモノか?」(トラベラー思考)
もしも自分が3カ月旅行へ行くとするとして、あなたはトランクに「それ」を入れようと思うだろうか。本当に生活に必要なモノと思うならトランクに詰め込むはずだ。
本当に旅行に出なくても、この問いは片づけに効果を発揮するだろう。だが、旅行から帰ってきたときにこそ、この質問を自らに投げかけてほしい。
旅先で「これがなくても暮らせる」と実感できた直後だから、ためらわずに手放すことができるはずだ。
■質問3「誰かが買ってくれるとしたら売るか?」(ネットオークション思考)
たとえば、海外旅行で買った思い出の服。ほとんど使わずにしまっていたが、捨てるのはかなり惜しいと思うかだろう。そんな時に背中を押してくれるのがこの質問だ。人間は現金なもので、フリマアプリやネットオークションで「売れる!」と考えた途端、急に手放したくなる傾向がある。
そこであなたが「誰かが買う」と思えたなら、実際に売ってもいいし、リサイクル、リユースで寄付もできる。また、気の置けない友人に譲ることで、心理的に抵抗なく手放せるかもしれない。
■質問4「あの日に戻れたとして、やはりこれを買うか?」(タイムトラベル思考)
捨てようか・やめようかの結論が出ない時に、あなたの心だけ、そのモノを買った日にタイムトラベルしてみる質問だ。捨てるかどうか迷うくらいに価値がないモノなら、「あの日に戻れたら、これは買わない」と結論が出るものがほとんどのはずだ。
たとえば室内用のエクササイズ器具。深夜のテレビ通販で衝動買いをした“あの夜”にタイムトラベルすれば、答えは一発で出るだろう。“購入の瞬間”に気持ちをフォーカスすることで、潔く手放す気持ちに変われるのである。
■質問5「お金が無限にあったら、本当にこれを買うか?」(大富豪思考)
お金持ちほど、高いけれど品質のいいものを厳選して買っている。いいモノを買うことで生活の質が向上し、さらにお金持ちのライフステージは上がっていくのである。
たとえば、100円ショップで買ったピルケース。大富豪ならこんなモノは買わないだろう。このように中途半端なものを買って、そのどうでもいいモノで家中があふれかえるのを阻止するにはこの質問が有効である。
衝動買いをしてしまいそうなとき、いったん深呼吸して「もっとお金があったら、自分はこれを買うだろうか」と考えてみよう。「いや、もっといいモノを買おう」と思いなおす機会が増えるはずだ。
■質問6「これを何回我慢すれば、ほしいモノが買えるか?」(ほしいモノ変換思考)
飲み会の代金が1回4000円。これを10回我慢すれば4万円。相当リッチな買い物ができるはずだ。さらに、飲み会をやめることで自分だけの自由な時間も手に入る。質問5の大富豪思考と同様、この「ほしいもの変換思考」を試してみると、中途半端なお金の使い方が激減し、本当に欲しいものを手に入れることができるだろう。
本当に手に入れたいものがわかっている人は、ぜひ、この質問で無駄遣いグセから卒業してほしい。
■質問7「3年、5年、10年経っても必要か?」(ロングスパン思考)
長い目で見て、それは必要か…。未来を想像するのはなかなか難しいが、失敗のない有意義な買い物ができる体質に変わりたい人は、この質問を試してみてほしい。
まず紙に、今まで買って「よかったモノ」「後悔したモノ」、この2つの項目を思いつくままに書き出してみよう。すると自分が必要とするモノ、そうではないモノの傾向が見えてくる。その傾向をつかんでおいて、長く役立つ、大きな買い物の際にこの問いを投げかければ、買い物の成功率は飛躍的に高まるのだという。
多少手間がかかるかもしれないが、じっくり取り組んでみて損はないだろう。
■モノがないから満たされる
DaiGo氏は、同書のあとがきに次のようなことを書いている。
2017年の夏休み、彼はリゾート開発の進んでいない南の島ですごしていた。そこには、岩と川、森と海しかない。けれども彼の内面は「これまでにないほど満たされて」いたという。
“「何もない」からこそ、人はより強く感じます。より深く考えます。
そして、より多く人生を楽しむことができるのです。”
この本は、モノとの付き合い方を通して、「生き方」や自分の「未来」も見えてくるという希有な側面を持っている。あふれるモノや情報に翻弄されたままでいることは、人間らしさを育む機会を損失しているのだ。
この春から新生活に望む人もいるだろう。心機一転、住まいを整えるのであれば、「未来を選ぶ」という観点から「片づける」こともぜひ頭に留めておいてほしい。
文=武藤徉子