200軒以上の家を大改造! 人気整理収納アドバイザーが教える“2世帯住宅の片づけ法”
公開日:2019/4/28
ひとつ屋根の下で2つの家族が生活している「2世帯住宅」は、いざという時に安心できる半面、物が散らかりやすかったり収納面で悩んでしまったりすることも多い。雑誌やテレビで見かけたようなシンプルな部屋にしたいと思っても、難しく感じられてしまう。だが、こうした悩みは『「ガラクタのない家」 幸せをつくる整理術』(井田典子/婦人之友社)で解決することができる。
これまでに200軒以上もの家を大改造してきた整理収納アドバイザーの井田さんは、2018年の夏に娘夫婦から同居を提案され、2世帯住宅へ引っ越すことに。そして、60歳を目前にした“暮らし替え”の体験を元に本書を執筆。2世帯住宅という限られた空間をどう活かし、ガラクタのない家を築いていくかを説いている。
■家の中のモノを管理することがシンプルライフへの第一歩に
“はじめからガラクタという名前のモノはありません。モノが勝手に入ってきたのではなく、私たちが何らかの理由で家に入れたはずなのに、役に立たなくなったり上手に活かせなくなった途端にガラクタと呼ぶのは、人間の身勝手ですよね。”
ガラクタをこう定義する井田さんはシンプルライフを叶えるためにはまず、自分の家にどれだけのモノがあるのかを把握することが大切だと語っている。
シンプルライフを叶えるには単にミニマリストの真似をするのではなく、モノを通じて自分の価値観を問い直す必要がある。現に井田さんはモノの個数を一覧表に記載することで、各部屋を管理。ごちゃつきがちなクローゼットは「1アイテム5点主義」を意識し、洋服は写真を用いながらリスト化している。
モノの数を知れば、欲望も整理でき、部屋の状態は変わっていく。単純にモノを減らすのではなく、余白を楽しめる片づけをしていくことこそが、真のシンプルライフを実現する第一歩になるのだ。
■2世帯住宅をスッキリさせる「だ・わ・へ・し」とは?
「部屋が片付かない…」「どう片づけたらいいのか分からない…」――そんな言葉が口癖になっている方は井田さんが提唱している魔法の呪文「だ・わ・へ・し」を意識しながら片づけを行ってみよう。
だ→すべてを出す
わ→種類別・目的別に分ける
へ→使うものだけを選んで減らす
し→枠を決めて、出し入れしやすくしまう
「だ・わ・へ・し」の4ポイントを守っていくと、ごちゃついた部屋に余白がちゃんと生まれるようになるのだ。
なお、ストックが溜まってしまいがちな食品在庫を「だ・わ・へ・し」するときは、食材を「主食」「副食物」「調味料」の3つに分けて考えていくとよいのだそう。
主食=米・麺類・粉類
副食物=乾物・レトルト・缶詰・菓子類
調味料=調味料全般・飲み物・菓子類
この分類法なら、整理した後に食材が偏ってしまう心配もない。食品在庫は特に、どこにどれだけのモノがあるのかを把握しておかないとムダになりやすいからこそ、「だ・わ・へ・し」を活かし、しっかりと管理していこう。
日々の暮らしを大切にしながら部屋をスッキリとさせる井田さんの片付け術からはモノに対する深い愛がうかがえる。
“大切なのは私たちに帰ってくる家があるようにモノにも帰るべき場所を決めておくということ”
モノをガラクタに変えないためには、こう語る井田さんの想いを噛みしめ、自分の家に散らばっているモノを改めて見つめ直してみよう。家に溢れているモノがガラクタになるか、宝物になるかは私たちの手にかかっているのだ。
文=古川諭香