インスタ発! 超ゆるゆるイラスト×関西弁で解説する、世界一わかりやすい生物進化の教科書
更新日:2019/4/8
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」。進化論を唱えたダーウィンには申し訳ないが、こんな風に生物の進化を仰々しく説明されても、今の今までいまいちピンと来てなかった。進化って何なのか。生き延びるってどういうことなのか。生物の進化の歴史は、わかりそうでわからない。それをスッと理解されてくれたのは、Instagramで見たゆるーいイラストだった。
種田ことび氏の『ゆるゆる生物日誌 はるか昔の進化がよくわかる』(ワニブックス)は、Instagram発の超ゆる~い生物進化の「教科書」(?)。生物の進化をマンガで解説するこの作品は、世界一わかりやすい生物進化の解説本といっても過言ではないだろう。40億年以上前、私たち人間の祖先は一体何をやっていたのか。ゆるすぎるイラスト。なぜか関西弁で添えられたコメント。この本を読めば、地球誕生から恐竜滅亡までの長い歴史が簡単に理解できるようになる。
生物の進化は、「突然変異」から始まる。突如、遺伝子や染色体の数や構造に変化が生じた結果、環境に有利な遺伝子が生き残り、不利な遺伝子が滅ぶ「自然淘汰」が起こる。そして、生き残った遺伝子が世代を超えて受け継がれて、その姿や能力が変化していくことで、生物は「進化」していくのだ。この本を読んでいると、あらゆる生物があらゆる進化を遂げてきたことがわかる。と同時に多くの生き物が生まれては消え、生まれては消え、を繰り返しているという事実に改めて気づかされる。せっかく愛らしい生物が誕生したと思ったのに、次の場面ではあっけなく絶滅、なんてことも少なくはない。ちょっぴり切ない気分になりながらも、「ああ、そうか、これが自然淘汰か」と理解したり、「こうやって生物は進化していったのか」と感心させられたりもする。
特に、2億5299万年前~2億100万年前の三畳紀のイラストは可愛い。高温・低酸素だったこの時代に、水の中に戻ることをせず、陸にとどまった爬虫類の中から、誕生したのが恐竜だ。そして、同じくこの時代に誕生したのが、哺乳類。そして、ジュラ紀・白亜紀と、恐竜の時代が続いたかと思えば、直径10kmに及ぶ巨大な隕石が落下。1億年という長い恐竜の支配があっけなく終わってしまう。その中で哺乳類が生き残ったのは体が小さかったから。また、雑食で食べ物にこまらなかったことや、繁殖サイクルがはやかったこと、胎盤で子どもを守ることができたのも要因としてあげられるという。あらゆる要因が重なり、私たちの先祖は遺伝子を現代へと伝え続けたのだ。
肩の力を抜いて読んでいるのに、すぐわかる。理解できる。多くの人の知的好奇心を刺激するに違いないこの本は、子どもから大人まで誰もが楽しめるに違いない。あなたも、生物の進化のダイナミックな物語に触れてみてはいかがだろうか。
文=アサトーミナミ