タラレバ娘たちが「番外編」で帰ってきた!『東京タラレバ娘リターンズ』で描かれる、幸せの見つけ方

マンガ

公開日:2019/4/6

『東京タラレバ娘リターンズ』(東村アキコ/講談社)

 吉高由里子主演のドラマ化でも話題となった、『東京タラレバ娘』(東村アキコ/講談社)の主人公は、鎌田倫子(かまた・のりこ)、山川香(やまかわ・かおり)、鳥居小雪(とりい・こゆき)の独身アラサー女性たち。3人は、恋愛や仕事に焦りを感じながらも「あの時、ああしていたら」「次からはこうすれば」と、日々“タラレバ話”に花を咲かせていた。ある夜、いつも通り居酒屋で女子会をしていると、金髪美男子・KEYから「このタラレバ女!」とキツイ一言を浴びせられ、現実と向き合うことに……。

 結婚・恋愛・仕事に焦燥感を覚えつつも、現実を直視するのは怖い。そんなアラサー女性たちの葛藤や悩みをコメディタッチで描いた『東京タラレバ娘』は同年代の女性を中心に高い人気を集めた。そして、このたび登場した『東京タラレバ娘リターンズ』は、タラレバな日々の中で紆余曲折ありながらも、自分なりに前進した彼女たちの“その後”を描いた番外編である。

 本編最終話から時は流れ、倫子はKEYに気付かされた「かっこいい女」を目指しながら、小さな仕事をコツコツこなす変わらない日々を送っていた。いつも通り女子会を開催したある日、なんと香が小学校の同級生との電撃結婚を報告。倫子と小雪は、悲鳴にも似た歓声をあげてブライズメイドを引き受けるのであった。

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 本作では、香の結婚式をメインテーマに、タラレバ娘たちのドタバタな日常が描かれる。結婚式の最中に起こる“新婦のアレ”の乱入騒動や、倫子の新しい恋疑惑など、3人を取り巻く環境は相変わらずだ。しかし、代わり映えのしない日々のなかでも倫子たちは着実に前に進んでいる。

 大親友の結婚式を終えたあと、倫子は過去を振り返りながら、ひとりで空を見上げる。タラレバばかり語っていた頃の彼女とは違い、そのまっすぐで強い瞳には「自分の未来への期待」が込められていた。

“私はもっと人生を楽しんで”
“まだまだ恋もして もっといい女にならなきゃ”

 以前の倫子たちのように、自分の生き方や未来に不安を抱えながらも一歩踏み出せない女性は多いのではないだろうか。そんなときは、恋愛でのドキドキや仕事へのワクワクよりも先に、まずは“自分へのときめき”をしっかりと感じてほしい。

 本作は、自分をアップデートしたいと感じた全ての女性に読んでもらいたい作品である。

文=山本杏奈