『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える』「ネガティブ感情ラベリング」/連載第3回

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更新日:2019/4/1

 『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える』は、世の中に山ほどある「ストレス解消法」の中から、本当に効く100のメソッドを厳選してまとめた1冊。いずれのテクニックも、ハーバードやスタンフォードといった一流の研究機関が実証したものばかり。欧米の企業や学校などがストレス対策に取り入れ、実際に高い成果を上げている最先端の技法だけをピックアップ! ここで、本書から今日のストレスが一瞬で消える「ストレス解消法」を紹介しよう!

「ネガティブ感情ラベリング」

 2012年に、アメリカのミシガン大学が実験で効果を明らかにしたテクニックです。

 この実験で研究チームは、被験者に「一定の期間だけ自分の感情の動きを記録してください」と指示。そのうえで、ストレスに強い人はネガティブな感情をどのように処理しているのかを調べました。

 そこでわかったポイントは2点です。

・ストレスに弱い人ほど、自分のネガティブな感情を区別するのが苦手だった
・ストレスに強い人は、自分のネガティブな感情を区別するのが得意だった

 つまり、ストレスに弱い人は、「悲しみ」や「不安」といった感情を明確に区別せず、「なんだかイヤな感じだなぁ……」といったように、大ざっぱにとらえがちなのです。

 確かに、いま自分が悲しいのか不安なのかすらもわからなければ、ネガティブな感情にうまく対処するのは難しいでしょう。ガソリンメーターが付いていない車に乗っていたら、いつガソリンスタンドに行けばいいのかすらわからないからです。

 研究チームは言います。

「この結果は、ネガティブな感情を明確にすることの大事さを示している。自分の感情を、たんに『イヤだ』や『不快』の2つにわけるのは避けたほうがいい。常に明確に感情に名前をつけよう! その気持ちは、怒り? 恥? 罪悪感? それとも何か別の感情だろうか? そう考えてみるだけでも、ネガティブな心の悪影響を受けずに、人生をより良くすることができる」

 いつまでもボンヤリした感情を引きずったままでは、いつまでたってもストレスは消えてくれません。そこで、「いま自分が何を感じているのか?」にハッキリした形を与えてあげるのが、「ネガティブ感情のラベリング」のポイントです。

 ただし、そうはいっても、いったんネガティブな気持ちにつかまると、「そんな余裕はない!」といった状態になってしまうものです。そんな時のために、あらかじめ「感情のワードリスト」を用意しておくといいでしょう。

 研究によれば、メンタルが強い人たちは、だいたい7つの言葉を使って自分の感情を整理する傾向がありました。もし嫌な気分に襲われたら上のリストをチェックし、いまの自分の気持ちがどの言葉に近いかを考えてみると、驚くほどスッキリした気分になれるでしょう。

[7つのネガティブ感情ワード]
悲しみ・不安・怒り・イライラ・恥・嫌悪・罪悪感
なにか嫌な気分になったら、自分の気持ちを以上の7つの言葉で表現してみる

Point
ストレスに弱い人ほど自分の感情を言語化するのが苦手。
嫌な気持ちにハッキリした名前をつけてみるといい

第4回に続く