11年つき合った彼が知らない女と突然入籍! 『東京タラレバ娘』番外編「タラレBar」が待望の復活!
更新日:2019/4/19
アラサー女性の恋愛と葛藤を描き、盛況のうちに幕を閉じた東村アキコ先生の『東京タラレバ娘』。実写ドラマ化もされ、今年の3月には番外編『東京タラレバ娘 リターンズ』が発売されたことも記憶に新しい。しかし、話題を呼んでいるのは本編だけではない。
『東京タラレバ娘』のコミックス巻末で全国のタラレバ娘さまのお悩みにタラマスターとレバーテンの名コンビがズバッと答える「タラレBar」もまた好評で、連載終了後にもKiss編集部には相談書簡が届き続けたそうだ…!
『東京タラレバ娘番外編 タラレBar』(東村アキコ/講談社)は、そんな連載終了後に届いたお悩みを、再オープンした「タラレBar」でぶった斬るという様子が描かれているマンガだ。全国のタラレバ娘の念が込められ「ドブの色に変色しはじめた」というレターセットに書かれたお悩みへの回答は、時に涙を禁じ得ないものや、目から鱗が落ちるものばかりであった。特に印象的だったものを紹介しよう。
■11年つき合った彼が突然知らない女と入籍しました…(涙)
まずは「タラレBar」史上一番辛いお便りだというこちら。
相談者の女性は、31歳から42歳までの11年間つき合った彼が、突然自分の知らない女性と入籍したことを第三者から知らされる。彼に確認しても、事実を認めないまま、適当な理由をつけられて、あっさりふられてしまう。その出来事から3年、40歳を過ぎた相談者は、毎日死にたい思いで過ごしていると言うのだが…。
まさに絶句するしかない悲痛なお便りだが、東村先生は(おっといけない! タラとレバは)色んな復讐方法をネットで調べ、それらは大体何らかの法にひっかかることを確認した後で、「もう一度男を作ること」を勧めていた。
男で受けた傷は男という軟膏で治す。軟膏で治るような傷じゃなくても、傷に、そして脳内に新しい男を塗りこむことを推奨し、「一度 誰かを愛せたのなら絶対に絶対に絶対にまた好きな人が出来るはずだから とにかく身ぎれいにしておく」ことをアドバイスしている。
愛する人に裏切られる苦悩は相当なものだが、「誰かを心から愛した」という事実は紛れもなく素敵なもののはずだ…。先生の回答に高速で頷きながら、相談者の幸せを勝手に心から祈ってしまった。
また本書では、相談数No.1の「結婚となるとなぜか男が私を選ばない問題」に対して、「女として魅力があっても疲れる相手とは一生一緒にいられないんだよ」という核心をついた格言にハッとさせられることもあれば、不倫に悩む女性に、「自分の人生、ガチャポンの空かなんかだと思ってるのかな?」と怒りを爆発させた後、「スマホぶっ壊して他社に機種変 それ一択」と常識的(?)な回答をしているものもあり、非常に読み応えがあった。
結婚してもしなくても、女性にはたくさんの悩みがついて回ると思う。それは時に、誰かに気軽に相談できる類のものではない場合もある。筆者は、「タラレBar」に自作年表付きの手紙を送り真剣に悩みを相談するタラレバ女子たちの様子を見て、「辛いのは自分だけじゃないんだ」と励まされたし、経験豊富なタラとレバならぬ東村先生の回答に何度も叱咤激励された。
恋に仕事に悩んだ時、何度も繰り返し読みたくなる魅力満載の1冊である。
文=さゆ