きれいな手書き文字には共通ルールがあった! 諦めていたクセ字が直る劇的改善法
更新日:2019/6/13
「字の形が整う“理論”を覚えるだけで、自分の字は劇的に上手になります」と言うのは、横浜国立大学教育学部教授で書家・美文字研究家の青山浩之先生。
著書『“きれいな字”の絶対ルール』(日経BP社)では、「必」「子」などバランスが崩れやすい漢字や、50音すべてのひらがな・カタカナが上手に書けるようになる理論を細かく解説している。
本書が画期的なのは、文字の形や点画(点や線)を体系化し、そこから導かれたスキマ均等法、ピタ・カク・ピト法などさまざまな理論を覚えるだけで、書く人が自ずと悪筆の原因に気づき、自分で直していけるように導いている点。悪筆に対しての「丁寧にゆっくり書きましょう」という漠然としたアドバイスとはまったく違う具体的なアプローチで、文字をきれいに書けるようにサポートする。「汚い字を直したいと思ってきたけれど自分ではどうにもならない!」という人にこそ読んでほしい1冊だ。
誰もが苦手な文字ランキング1位は…
青山先生が行った手書き文字に関するアンケートで判明した「苦手な文字ランキング」も本書で発表されている。苦手な「ひらがな」第1位は、「を」だそうだ。「を」の書き方について、青山先生はこのように解説する。
◆「を」の書き方
「3画の方向や交わる場所を知らないと、難しく感じる字でしょう。特に2画目は重要。縦の中心線から左下へ向かい、やや右上に折り返した後、縦の中心線に沿って下ろす。3画目は2画目の直線部分を2等分。4つのスキマを均等にします」
「を」の1文字だけを取っても、1画1画について詳しい解説が書かれている。どのように書けばきれいな文字になるのか、その道筋を丁寧に示してくれるので、いざペンを取って書く練習をするときに迷うことがない。「もしかすると、文字ごとにコツが違って、覚えることが多いのでは?」という心配も無用。文字の解説は「スキマ均等法」などの理論によるもので、理論さえ覚えれば他の文字も美しく書くことができるようになる。
理論を覚えれば自分で文字を整えられる
「を」の解説の中で、「3画目は2画目の直線部分を2等分。4つのスキマを均等にします」とあるが、これはスキマ均等法を用いている。
◆スキマ均等法とは
スキマ均等法の理論は、「線と線の間にできるスキマの大きさを揃えるだけ」。スキマに円を書いてみるとわかりやすい。
履歴書やお礼状・お詫び状など、ビジネスシーンでは手書き文字の美しさが仕事の出来の印象に繫がる場合もある。この春から自分の文字を見直して、スキルアップに繋げたい。
文=箕浦 梢