待ち受け画像にすると運気がアップすると話題! “歩くパワースポット”湘南乃風SHOCK EYEさん、親に承認されなかった幼少期を明かす
更新日:2019/4/19
人気占い師のゲッターズ飯田さんに、「今まで占ってきた中で、1、2位を争う運の強さ。歩くパワースポット」と言われた経験を持つ湘南乃風SHOCK EYE(ショックアイ)さん。芸能界から火がついて、その写真を待ち受けにすると運気がアップして良いことが起こる、と話題になっている注目の人である。そんなSHOCK EYEさんが普段大切にしている「小さな習慣」をまとめた初の著書『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』(講談社)が発売された。運気アップのアドバイスはもちろん、親に承認されなかった子ども時代を初めて明かす自身の生い立ちまで、NGなしで語ってくださったロングインタビューをお届けする。
●言葉を足したり引いたり、満足行くまで何度も書き直した
――『歩くパワースポットと呼ばれた僕の大切にしている小さな習慣』、前半は即参考にできるSHOCK EYEさんのポジティブな習慣、後半はディープな生い立ちを初めて明かされる構成です。完成まで、何度も書き直されたとのことですが。
SHOCK EYE 自分の頭の中にある感覚や、今まで経験したことを、なるべく誤差なく言葉にする作業は難しかったですね。読んだ人が笑顔にポジティブになってもらう本であることが大前提で、読むことで、イヤな思いになる人がいてほしくないと考えていたので。歌詞と違って活字は無制限に伝えられる分、言葉を足したり引いたり、満足行くまで何度も書き直させてもらいました。
ひとつひとつの言葉を大事にできたおかげで、今の自分の言いたいことがナチュラルに伝わる本になったかなと思います。
●言葉が心地よいテンポになったときの喜び
――SHOCK EYEさんの素直なお気持ちがすーっと入ってくる、とても読み心地の良い文章で、言葉を選んで作られた本だと伝わってきました。
SHOCK EYE 音楽でもずっと歌詞を書いていますが、言葉ってとても良いものだけれど、時として人を傷つけることもあって、すごいパワーを持っている。だから僕はSNSの投稿で言葉を出すときも、何回も読んでから投稿するんですよね。
――それでご自身のメッセージも、ファンの方との交流も、丁寧な印象なのですね。
SHOCK EYE 僕もそうされたほうがうれしいし、そこに費やす時間が意外と自分も心地よかったりするし、言葉が心地よいテンポになったときの喜びがあるんです。歌とも似ていて、歌詞を何度も何度も書いて、流して聞いてみて、テンポや言葉の印象を確認するので、それが習慣になっているんだと思います。文章の場合も、音楽は聞こえてこないけれど、読んで心地いいテンポがあるんです。
――歌詞で培われた言葉を大切にする習慣が、本の執筆にも活かされて、読みやすいリズムにつながっているのですね。
SHOCK EYE 優秀なスタッフにもすごく助けてもらいました(笑)。趣味の延長で小説などの執筆もしていて、もともと、文字や言葉がとても好きなんです。今回、ひとつの夢だった「本」を、湘南乃風で15年やってきたこととはまた違ったかたちで出せることになって、うれしいです。
●僕は夢想家ではなくてリアリスト。でもロマンを信じたい
――本を読むこともお好きなのですか?
SHOCK EYE どちらかというと映像から入るタイプで、本の虫という感じではなくて、映像をうまく言葉にできている本が好きですね。映画も好きだし、歌詞も本も、映像が浮かぶことが大事です。
――本の中で、SHOCK EYEさんの日常の習慣が具体的にわかりやすく紹介されています。たとえば、神社で心が静かに整う感覚を「体の中の乱れた電気が放電される」と表現されるなど、とても理解しやすいです。
SHOCK EYE 性格なんでしょうが、どちらかというと僕は夢想家ではなくてリアリスト。ロマンを信じたいけれど、俯瞰から物事を見てしまう。でもロマンチックなことが好きだから、それを自分に納得させる意味付けをするクセがあるんです。神社へ行く自分を分析したり、なぜ人はこう思うんだろうと考えたり、何か起きたときに、それをたとえる比喩を探したり。それがうまくあてはまると「なるほどOK、これはアリ」となる。
●なぜ神社に行くんだろう? このすっきり感は何なんだろう?
――完全にリアリストの思考回路なんですね。
SHOCK EYE 何かを受け入れるときに、そういうふうに自分の中で答え合わせをしてからでないと前に進めないタイプなんです。だから、なぜ神社に行くんだろう? この感覚、すっきり感は何なんだろう?と考える。
そうすると、そもそも人間の体は、脳が電流でさまざまな命令を心や体に送っているのだから、それが日々のストレスで乱れていると、神社の自然に囲まれた中で、心身に溜まった電気が放電されて整っていくのではないか、という考えがしっくりくる。もしこの感覚に莫大な費用を投じて研究したら、新しい物質みたいなものが見つかるんじゃないかとか(笑)。
――神社で感じるあのすっきり感、放電と言われると納得です。
SHOCK EYE 神社のように、その場所にずっと存在している、ということにも意味があると思うんです。長い時間を経て淘汰されていった習慣や場所や物がある中で、それでも残っているものは、みんなの思いだけではない何かが、そこにあるんじゃないかな、と。それが電気みたいなものなのでは、と自分なりに科学してみました(笑)。
●スマホのヒビはすぐ修理。鏡やガラスはいつもきれいに
――ほかにも、どんな立場の悩みを持つ人もすぐ実践できる習慣が、行動から心の持ち方まで、たくさん紹介されています。
SHOCK EYE 全部、自分なりの意味がある習慣です。たとえば「スマホの画面に、ヒビが入ったらすぐに修理する」とか「鏡やガラスはいつもきれいにする」とか。
曇ったり割れたりしているものは、それを見るたびに、ちょっとイヤだな、という気持ちになる。見逃してしまいがちだけれど、少し曇っているガラスをいっぱい重ねていったら、最終的には遠くを見通せなくなるでしょう? それはもしかして、もう取り返しのつかない曇りになっているかもしれない。だとしたら、少し曇ったときに拭いておけばいい。
心の曇りも、部屋が片付かないことも、スマホのヒビも同じ。ヒビが入ったらすぐ取り替えるのを習慣にすれば、それを繰り返すうちに、取り替えるのはお金もかかるし、労力もかかるから、じゃあヒビが入らないように大切にしよう、と考え方が変わっていく。
●違和感を覚えることはなるべく早い段階で修正する
――習慣で考え方は変わっていくんですね。
SHOCK EYE 人付き合いも一緒で、ちょっとした曇りが人間関係の中で生まれたら、見通せない曇りになる前にそれを拭きに行くようにしています。
友達があの時イヤな顔をしていたな、つらそうな顔をしていたな、と思ったら、どうしたの?と言いに行く。それが取り返しのつかない亀裂になる前にできることなんです。スマホの画面のヒビや、ガラスの曇りの話は、すべてに通じています。
――小さなことを丁寧に積み重ねることの大切さですね。
SHOCK EYE みんなけっこう曇ってから、あ、やばいって気付くんだけれど、そうなってしまったものをまたきれいにする作業のほうが、実はすごくたいへん。だから僕は普段の生活から、違和感を覚えることはなるべく早い段階で修正することを習慣にしています。
●悩みがあるのは悪いことじゃない
――「悩むことは悪くない」と断言されているのも印象的でした。
SHOCK EYE 悩みのない人生はないし、悩めているということは前に進もうとしているということ。ベタな言い方をすると、ピンチはチャンスだし、不安は成長するための要素でもある。
僕もこんなに、運が強い、歩くパワースポット、と言われていても、もちろん悩みはある。でも悩みがあることを悪いと思っていない。悩みがあるから頭を使うし、悩みがあるから知恵もつく。
悩みがあるから、自分のだめなところや、悩んでいることをサポートしてくれたり、心配してくれたりする人の温かさや優しさに気付くこともできるんです。
●不安は「リスト化」で整理を
――「不安はリスト化する」というアドバイスも。
SHOCK EYE 誰でも不安はあるけれど、不安に対してぼんやり向き合ってしまうと、ああもう人生の終わりだ、という気持ちになってしまう。
でもよく考えれば、人生の終わりというほどの不安はないはず。じゃあ、何がそんなに不安なのかひとつずつリスト化して整理してみる。すると、それが複合的にからみあって大きな問題に見えているのであって、順番に解決していったら、意外といけるかも、と感じられるんです。
すべての不安がなくなることはなくても、この作業で解決できることはたくさんあります。ひとつでも解決すれば、どうにでもなるさ、と一気にうまくいく気持ちになることもある。
●つらい経験は、いつか必ず逆転できる
――ご自身の経験からのアドバイスなので、リアリティがあって、実践する読者も多いと思います。
SHOCK EYE 僕は上手に生きてこなかったからこそ、普通の人が経験できなかったことを経験させてもらってきたと思います。失敗談も含めて、それをこうして誰かに伝えられる自分が、どこか誇らしかったりもするんですよね。
つらかった経験も、おもしろおかしく話せるようになれば、自分の財産になる。よく、つらい経験もいつか笑い話になるというけれど、逃げずに向き合って、一生懸命に生きていったら、僕の経験上、必ず未来は笑えている。
だからまさに今つらい現状がある人は、難しいけれど、きっといつかこれも笑えているんだ、と思ってほしい。最後には、逆転できる未来が必ず待っているから。僕がそうだったし、これからも必ずそうしていきたいと思っています。
●何回失敗しても立ち直る人はかっこいい
――この本では人生のなかのネガティブをポジティブに変える心の持ち方がたくさん紹介されています。
SHOCK EYE 一番伝えたかったのは、眼の前の人生の迷路を楽しんでほしいということ。
みんな失敗が怖くてリスクを取らず安全な道を行きたがるけれど、人生は迷路で、いっぱい道があって、どの道の先に出口があるかなんて誰にもわからない。だとしたら、この迷路自体を楽しむことに没頭したほうがいい。選んだ道が行き止まりだったら、じゃあ次はこっちだ、みたいに。
最終的に、8本あった道の7本が行き止まりの迷路で、7本全部行き止まって最後の8本目でやっと出口を出られたとしたら、その経験はさすがに「もう聞いてよ~」と笑って話せますよね(笑)。
――それは笑ってしまいますね(笑)。8本中7本行き止まったのかと。
SHOCK EYE 7本は逆にすごくない?って(笑)。僕はよく、何回失敗しても立ち直る強さを持った人に出会うんですけれど、そういう人はいっぱいエピソードを持っているし、カッコいいんです。それが自分の財産になっている。
1本目に選んだ道がいきなり出口に続いていた人の話は「入ったらもう出口だったんだよ」というだけで、超つまんないですよ。だから紆余曲折していいんじゃないかな、と思います。
●「歩くパワースポット」と言われるなかで
――ここからは本の後半の内容についてお伺いします。ご自身が育った家庭環境や過去のお話を、かなり深いところまで、驚くほど率直にお書きになっていますが。
SHOCK EYE それについては本を作っていく上で、どうするか話し合って、僕は書きたい気持ちが強かったので、とても繊細に言葉を選んで、自分に向き合う作業をしました。
「歩くパワースポット」と言われて、みんなが僕に注目してくださっているなかで、今の自分は何を伝えたいのか、人のため、世の中のために、何を使命と感じているかを伝えるために必要なことだったからです。
それをきちんとやらないと、僕自身がたぶん「歩くパワースポット」という言葉につぶされてしまうし、自分の行く道や、歩いてきた道を見失ったり、さまよったりしてしまうと思いました。だから、まずはしっかりと自分に向き合わなければと。
●誰にも承認されない子どもだった僕
――「歩くパワースポット」であり、画像を待ち受けにすると運気が上がる、という現象がSNSやTV番組を通じて大きな話題になったことで、SHOCK EYEさんには本当に期待と注目が集まりました。
SHOCK EYE それはそれで楽しいし、ここまで求めてもらうことをうれしく感じています。けれど、僕には、きれいなことばかりじゃない、いろいろなつらい経験もある。同じようなつらい思いを抱えて親との関係に悩んでいるファンの子から相談を受けたり、自分が子どもを持ったりしたことで、次の世代に、大人として、親として、しっかりメッセージを残したいと思うようになりました。
昔は自分のために歌って、同世代を鼓舞して、大人に向かってコノヤロー!みたいなやり方でした。今は僕が大人になって、次の世代や、さらにその次の世代へどうやって自分の気持ちを残していくのかをすごく考えた中で、誰にも認められなかった僕の子ども時代の話をすることは避けて通れなかった。
承認されずに育ったことは、ここまでやってこられた自分のエネルギーになっていた。でも今は、人のために何かやりたい、誰かの喜ぶ顔が見たい、という強い気持ちが、僕のエネルギーなんだと気付いたんです。
●つらい生い立ちがあったから、誰かのためにがんばれる
――人のために、と気持ちの向く方向が変わったんですね。
SHOCK EYE 求められていることが、漠然とものすごくうれしいんですね。なんで俺は歩くパワースポットと言われていることがこんなにうれしいんだろう?と考えると、それはやっぱり承認されてこなかったからなんじゃないかと。
求められているなら、僕はすごくその人のためにがんばろうと思える。それは、この生い立ちがあったからこそ。きれいごとでもなんでもなくて、本当のことだから、そこをちゃんと伝えないと、ただのきれいごとを並べた本になっちゃうなって。
僕の本当に伝えたい気持ちが伝わらなかったら、この本を出す意味はない。だからええかっこしいなことだけを言うのは絶対やめようと。もしかしたら少しだけリスクになるかもしれないけれど、伝えたいことのために、自分の暗部というか、蓋をしていた部分を出そうと思いました。
●子どもができるまで気付かなかったこと
――ご自分を飾らないSHOCK EYEさんの言葉は、きっと読む人へ届くと思います。家庭という密室でのことなので、いびつな家庭環境を普通だと思って育ち、大人になっても自分の生きづらさの原因がそれと気付かないまま悩んでいる方も多い。
SHOCK EYE 僕もずっと気付いていなかったんです。子どもができて、初めて自分の育った環境が偏っていたことに気がつきました。子どもがいる家庭の中で、自分が至らないこと、気付けないこと、できないことがたくさんあったんです。
妻の実家はとても温かくて、みんな相手が喜ぶことをすぐに思いついて、いつも笑顔で溢れているんです。僕はそんな愛情を持って育った妻の家庭環境や、妻やその家族が自然に持っている習慣に、すごく憧れた。「愛の偏差値」が高いんです。僕が知らなかった家族の形でした。
それで僕もこっち側の人になりたいと思って、マネから入ったんです。子育てで自分がされてイヤだったことは絶対に持ち込まないで、子どものために妻の習慣をマネしながら、一生懸命知恵をふりしぼった。
今は、自分がいいなと思うことを少しずつ自分のものにできているという満足感もあるし、一方で、なかなかうまくいかなくて、ほんとに愛の偏差値が足りねえなあ、みたいな気持ちにもぶつかりながらやってます(笑)。
●悪い記憶や悪い感覚には、とらわれないほうがいい
――連鎖におびえて苦しむ方も多いので、愛の偏差値は後天的に他の人と高めていくことができるというのは大きな希望ですね。
SHOCK EYE 僕は自分のところで悪い連鎖は断ち切るつもりで生きています。もちろん、親からもらっているいい連鎖もあって、武士の家に生まれて、人としてとか、仁義とか、そういう部分の真っ直ぐさは確かに教えてもらった。神社を好きになったのも、家がそういう家柄だったからじゃないかと最近は思うようになりました。
その瞬間の悪い記憶や悪い感覚には、とらわれないほうがいいんです。時とともに前へ進んでいくうちに、環境の変化や、自分の力の変化のなかで、いつか受け入れられたり、理解できたり、乗り越えたりできる日が来る。結局、すべてに意味があると思うんです。いいことも悪いことも、自分次第でなんにでもうまく転換できる。
●神社を通して気付いたこと
――自分の考え方が人生をつくるんですね。
SHOCK EYE 僕は神社がすごく好きで、神社を通していろいろなことに気付いたんです。たとえば何かの形に似ている石や、自然にたまたまできた不思議な景色。そういうものに、自分なりの意味を持たせて、たとえば亀の形に似ている石だから「亀の石」と名付けたり、縁起がいいからとみんながその場所に愛着を持ったりする。
そんなふうに人々が守ってきた場所が、神社に行くといっぱいあって、その考え方が素敵で、日本人って素晴らしいなと思う。
同じように、自分が出会った人や、起きた出来事に、勝手に自分でポジティブな意味をつけて愛着を持つと、それがいろいろな気付きやつながりになっていく。そういう考え方がいいと思うんです。
●「歩くパワースポット」という言葉を勝手にお守りにしたから今がある
――勝手に自分でやればいいわけですね(笑)。
SHOCK EYE 起こることに、なるべく自分に都合のいいように意味合いをつけて、ポジティブに前へ進んでいけたらすごく楽しい(笑)。僕がゲッターズ飯田さんに「歩くパワースポット」と言われたのは彼がまだ無名だった時だけれど、自分の中で勝手に僕の「お守り」という意味合いをつけて、大切な占い結果だと愛着を持ってやってきた結果、今がある。
湘南乃風のメンバーに出会った時も、ただの不良の集まりっていうか、ほかの3人にも自分にも、才能とかはぜんぜん感じていなかった(笑)。でも、こいつらといたら楽しい、イケるって(笑)、勝手な意味を付けて進んでいったら、湘南乃風は僕の根幹になる活動になって、メンバーは一生付き合っていく仲間になった。
これって本当に勝手な、自分の思い込みや意味付けなんだけれど、みんなもやってごらん、と思うんです。僕の待ち受けにしても、なんの確証もないことかもしれないけれど、それを運気アップになるとポジティブに信じて、みんながそれぞれ、勝手に意味を持たせてやっている。
そういう感じでいこうよ、という気持ちが、この本で伝わればいいなと思います。
取材・文=ハタノ 撮影=内海裕之
スタイリング=渕上カン ヘアメイク=大島千穂
SHOCK EYE
しょっくあい●1976年、神奈川県生まれ。RED RICE、若旦那、HAN-KUNと共に「湘南乃風」を結成。2003年、アルバム『湘南乃風 ~REAL RIDERS~』でデビュー、19枚のシングルと7作のアルバム、ベスト盤2タイトルをリリース。2011年にはポルノグラフィティの新藤晴一とサウンド・クリエイターの篤志とともにTHE 野党を結成。また、近年は℃-uteやジャニーズWEST、YouTuberのフィッシャーズなど幅広いジャンルに楽曲提供を行う。